戦国
忍べよ!忍(政+佐)
天気が良い…
何でこんな日に部屋に籠りっきりなんだ…
「Shit…」
雑務の溜まった机を見て舌打ちが出た。
だが、お目付け役の右目は畑に出ているため、まだ幾分気は楽だ。
政宗は縁側に立ち庭を眺めた。
本当に天気が良い…
青空に輝く白い太陽を見上げた。
目を細めていると、
サッ────
黒い何かが光を遮った気がした。
バサバサバサッ
「あらよっと!」
真っ黒な鴉と共に現れたのは明るい髪色をした敵国の忍。
「やぁ、独眼竜の旦那」
「……」
「あっれ?何その嫌そうな顔〜」
日も高く、堂々と正面に現れ、飄々とした態度で笑顔を向けた忍に対し、
政宗は苦虫を潰したような顔で応えたのだ。
「嫌そう、じゃなくて嫌なんだよ」
「うわっ!開口一番がそれって酷くない?」
傷つくなぁ〜と1人ブツブツ言う佐助に政宗は踵を返した。
「ちょっと話聞いてよ」
「Ah〜?……ったく、何の用だってんだよ」
うんざりした態度をしてはいるが、仕事に 飽きていた頃だったので相手をしてやっていた。
「ちょっと暗殺に♪」
「Haッ!こんな堂々とした暗殺があってたまるかよ」
鼻で笑いまた背中を向けて部屋の奥へ入って行った。
「あれ〜?俺様一応敵なんだけど背中見せていいの?」
「誰に物言ってんだよ。」
政宗は机に戻り腰を下ろした。
「…目の前にいる忍程度に首取らせてやるほど俺は甘くねぇよ。」
敵わないなぁ………
口の端を上げて妖しく笑う政宗に佐助は小さく呟いた。
「おら、用が済んだろ?さっさと消えろよ」
済んだ………?
「ぅ……」
今までへらへらっと笑っていた佐助は眉間に皺を寄せた。
それに気付いた政宗は喉の奥で笑った。
「バレバレなんだよ!忍が太陽の下、俺の顔見たさに来てんじゃねぇよ!」
政宗が言い終える前に佐助は姿を消した。
「少しは忍べよな〜……」
今日は本当に良い天気だ。
××××××××××××××××
やり込める政宗様と負け犬な佐助。
ヘタレちゃんは可愛いです!
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