天国と地獄(ダイヤ←パール)
なんだか最近ダイヤが俺に構ってくれない。
それもこれも畜生あのガイドの女!そうあいつのせいなんだ。
いったいぜんたい何が良くてあんな女にダイヤがうつつを抜かしてんのか知らないけどなぁ、そっちがその気なら俺にだって策はありゅ…あるんだぜ!!
な、なんだよ今のは噛んだんじゃねーよニヤニヤすんなよ畜生なんだってんだよーっっ!!!
気を取り直して作戦開始!
俺はダイヤと保育園からの仲、つまり筋金入りの幼馴染みでありしかも将来(芸人になる夢)を誓い合った相方だ。ダイヤに関して俺が知らないことなんてないんだぜ!
まずはあの食い気の多いダイヤの胃袋をキャッチ&リリースだ☆
このパール、腕によりをかけて作りました。
愛情はスパイスだぜ。
さぁ食べるんだこの大量のおにぎりの山々をっっ!
「ダーイヤっっ!」
「んー?なーにーパールぅ?」
「これやるよ!作りすぎちゃって食べきれないんだ」
ふふふ計画は完璧だ。
「あ、ごめん…今は無理…」
「…んなーーー!!?」
まじかよっつかなんでだよ!?いつもいくら食っても食い足りないくらい食ってるだろお前ぇぇぇ!!
逸る気持ちを抑えてとりあえず、なんでだよと聞き返す。
するとどうだ。
ちょっぴり頬を赤らめて照れ笑いをしながらダイヤは
「…ついさっきお嬢様が、『もしお腹が空いているのでしたら食べていただけません?』って…手作りクッキーくれたんだ…!」
でれんと頬を弛めた相方はリュックの中から大量にクッキーが入った袋を取り出して、なるほど確かにところどころいびつな形だったり焦げていたり(っつうかあの女料理出来たのかよ)する部分があってかなり手作り感がある。
…しかも、は、は、ハート型クッキーもちらほら見え隠れするのは気のせいでも見間違いでもない。
すごく美味しいんだよーと幸せそうにクッキーを頬張るダイヤの顔にむかむかしてきてとりあえずおにぎりを一個べしゃりと投げつけた。
なんだよなんだってんだよ。
あーもーいいよ勝手にしやがれ勝手にあの女とイチャコラぶっこけこの野郎。
ダイヤなんて、ダイヤなんて……。
「あー…もったいないなぁ」
ダイヤの顔に当たって地面に落ちた無惨な形のおにぎりにダイヤは手を伸ばして不満げに俺を見る。
なんだよお前が悪いんだぞ。お前が…俺、の
「まぁいいか、食べちゃえ」
ええええええー!?
いや待て地面に落ちたの食うのかよやめろよいくらなんでも汚いだろ!
止めようとの肩を掴んだ俺を遮ってダイヤは落ちて崩れたおにぎりを口に入れる。
「うん、美味しい」
そう言って笑った俺の相棒は、もう一個食べようかなもらっていい?後で食べるから残しておいてねそうだ、べーにも食べさせてあげたいなーなんて呑気に笑っていて、なんだよなんだってんだよ、なんか、なんか泣けてくるじゃん馬鹿。
「パール?」
…ごめんなダイヤ。
お前の愛を疑ったりした俺が馬鹿だったよ。
俺、やっぱお前とずっと…
「あ!お嬢様ー」
…俺、やっぱお前とコンビ組むのやめよっかな。
END
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