「…ぬ、………ない、…」
「よーダイヤ!何してんだ?」
「花占いだよ」
「何占ってんだ?…ははーん、あのガイドの女にでも惚れてんのか!」
「パールのこと占ってるんだよ」
「…えっ、俺?」
「うん」
「ど、どんなこと占ってんだよ」
「うん、あのね…。パールの明日の生死を占ってるんだー」
「へー、そっかそっか俺の生死をね。生死を…生死!?」
「うん。死ぬ…死なない…死ぬ…あ、死ぬみたい」
「…うんあのさダイヤ、いやダイヤモンドくん?」
「なーにー?」
「お前さ、わざわざ花びらが奇数のやつ選んでないか?」
「うん、だって花占いの鉄則でしょ?」
「……」
いやだって俺の生死がかかってるんでしょ?
そう小さく聞き返すと、ダイヤは頷いて言った。
「どうせやるなら確実に……ね!」
にっこりと満面の笑みを浮かべたダイヤの表情は、これ以上ないくらいに輝きを放っていて眩しく…いやむしろどす黒くさえあった。
とりあえず今日を大切に生きよう。
そう固く誓ったパールの瞳は真剣そのものだった。
END