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告げる
あの子のくちから
光る何かが
転がり出でて
辺りを明るく染めました

とってもおめでたいので
みんなは手を叩いて
わたしも真似して叩きます

わたしはとても嘘つきなので
真似して両手を合わせたら
その手を鬼子が開いて抑えます

鬼子はにっこり笑います
わたしもにっこり笑います
なんてめでたいひなんでしょうと
鬼子は歯をがちがち言わせて
私は顔を覆います

おめでとう (がちがち)
(ちくしょう) にっこり
くちの前で両手を組んで
がちがちする歯や悪態をつくくちびるを隠します

安寧が過ぎるので
私も鬼子も怖くて仕方がない

わあ すごいね (がちがちがち)
(羨ましいなあ くそったれ) にこにこにっこり

暑い日なので
汗を抑える振りをして
そっと額を押さえます

地面に出来た影を目で追って
角が生えてやしないか確認する

細いニ本の角がひゅうっと
額にはえてしまったのなら
私は嘘をつかずに済むのに

鬼子、鬼子、
両手を打ち合わせては呼ぶ

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