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世界一。(デイサソ/蠍誕
今日は世界一大切な君の、世界一大切な“君が生まれた日”


−なのに−


「旦那、」


−今日は君が主役なのに−


「どうして泣いてるんだい?」


君はとても辛く悲しそうで。


「今日なんて来なくてよかったんだ…誕生日なんてなくてよかった」


そんなこと言わないで?
オイラは今日この日があってよかった
とても
この日に感謝してる、のに


空を眺める君の長いまつげは少し斜めにおちていて


いつもの強気な君からは想像もつかなかった


(ああ、やっぱり、)


やっぱり。だって君は人形だけど、やっぱり人間、心だけ取り残されたなりきれなかった人形


(淋しいんだ、きっと、)
(ずっと独りだったから、)

「旦那、」

もう一度、

愛しい君の名前を。

手を差し伸べた
この手を振り向いてさえくれない君に取ってもらいたくて。


「知ってるかい?舞台は主役ただ一人じゃ良い舞台にはできないんだよ、うん」


どうか
君には笑っていてほしい


やっと君が振り向いた
君の目から大粒の涙が溢れた
今度はとても温かくて優しい涙


君の手とオイラの手の影が一つに重なりあう
君の口角が少し上がる
「デイダラ、」
「−リードしろよ−」
君の言葉にオイラの口角が上がる


さぁ準備はすべて整った
始めようか、オイラたちの最高の舞台を。


「誕生日おめでとう、旦那。生まれてきてくれてありがとう」


「…ありがとう」
小さな笑顔と共に小さな言葉がかえってくる
だけどその笑顔と言葉はとても、とても大きくて、温かくて。


来年もまた世界一愛しい君の隣で 世界一笑顔が似合う君の世界一笑顔になれる日を祝おう

              fin.お粗末様でした☆

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あきゅろす。
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