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Season企画小説
大人になる日・7 (R18) 
 力無く横たわってると、ずずっと阿部君が出て行った。
 挿れる時も、最中も衝撃だったけど、抜くときにも衝撃があるんだって初めて知った。
「ん……う」
 うめきながらビクンと震えると、優しく頭を撫でられる。
「平気か?」
 そっと訊いて来る声も優しくて、今更ながらにじわっと顔が熱くなった。
 阿部君とえっち、しちゃった、な。
 この2年間、ずっと失恋を引きずってたから、両思いになってすぐこういう関係になって、その時間差のギャップにちょっとついていけない。展開早すぎるような気がする。

 けど、阿部君からしたら、そう早くもないみたい。
「ようやく抱けた」
 オレの頭を撫でながら、感慨深そうに呟いてた。
 好きだって自覚してから、今日までずっと長かった、って。それまで、色んなこと考えては焦ることもあったみたい。
 西浦で会えたのは偶然だけど、成人式終わったら、近日中にオレに会いに来てくれるつもりだったんだって。
『若葉マーク取れたら、迎えに行こうと思ってた』
 車の中で言われたこと、思い出すと胸がじーんと熱くなる。
「お前が誰か他のヤツと付き合っちまうんじゃねーかって、すげー心配だった。けどその一方で、『今更だ』ってなじられても怖ぇなと思って、なかなか踏ん切りつかなかった」
 だから、期限を決めたんだって。若葉マーク取れたら会おう、って。

 汗ばんだ胸の中にゆるく抱き込まれ、じっと顔を覗き込まれる。
 記憶の中にあるより数段格好よくなった阿部君は、ほんの少し大人の魅力をまとってて、ドキドキが止まらない。
 整った顔に至近距離で見つめられると、こんなに恥ずかしいモンなんだって、初めて知った。
「あの、見な、いで」
 掠れかけた声で訴えると、「顔真っ赤」ってぼそりと言われた。
 誰のせいで真っ赤になってると思ってるんだろう? 恥ずかし過ぎて、何も言えずに目を逸らしたけど、構わず顔を寄せられる。
 あっ、キスだ。思う間もなく唇が触れ合って、誘うように合わせ目を舐められる。
 ぎこちなかったキスは、回数をこなすごとに深く気持ちよくなってった。敏感なとこどうしの触れ合い。舌と舌を絡め、互いの唾液を混ぜあうと、腰がずーんと重くなる。

「ん……っ、あ、あべくん……」
 キスの合間に名前を呼び、縋り付くと、上から覆い被さられ組み伏せられた。
 胸を押し撫でられて、乳首をからかうようにくすぐられる。
「ふあっ」
 思わず上擦った声を漏らすと、そのままそこを舐められた。
 オレ、女じゃないのに。どうして胸なんか舐められて感じちゃうんだろう?
「ん、やっ、あっ……!」
 身をよじって首を振ったけど、胸への愛撫は終わらない。
「そこ、だけ、いやぁっ」
 訳も分からず訴えると、するっと太ももを撫でられた。
「じゃあ、こっちも?」
 なんて、訊かないで欲しい。何を意味してるか敏感に察して、カーッと顔が熱くなる。

 片方の足首を掴まれて、はしたなく股間を縦割りにされた。
「あ、やっ」
 さっき大穴を空けられた場所を、指先でくるんと撫でられる。そこは塗り込められたローションでまだ塗れてて、彼の指をぬるっと受け入れた。
 些細な刺激に腰が跳ねる。
「んっ!」
「痛くねぇ?」
 真面目な声で訊きながら、ソコを覗き込まれてるの分かる。
「三橋、きもちいー?」
 ぼそりと訊かれたけど、どんな顔してそう言ってるのか見る余裕なかった。
 顔を覗き込まれるより恥ずかしい。羞恥で頭が真っ赤になって、何も言葉が出て来ない。

 黙って耐えてると、いきなり股間に顔を寄せられ、勃起したものをぱくんと口にくわえられた。
 ちゅうっとキツく吸い付かれて、過ぎた刺激に悲鳴が上がる。
「待って、待って、やあっ」
 悶える間もなく追い上げられて、阿部君の口に射精した。ほんの少ししか出なかったけど、口射は口射だ。
 残滓を搾り取るように、さらにじゅうっとキツく鈴口を吸ってから、阿部君が白濁の乗った舌をべろりと出した。
 見せつけるように目の前で飲まれて、恥ずかしさがまた振り切れる。

 2回目のえっちは、1回目よりもスムーズだった。
 ローションをたっぷりまとった阿部君の肉が、熟れて咲かされた穴に埋められる。
 奥まで一気に貫かれ、「ああっ」と仰け反って喘ぐと、息を整える間もなく強く揺すられた。
 様子をうかがうぎこちなさもない。
 遠慮もどっかに行ったみたい。始めから大きなストロークで抜き差しされて、中をこすられる快感に喘ぐ。
 たっぷり足されたローションのせいかな? 異物感よりも快感の方が大きくて、阿部君にぎゅっとしがみついた。
「あっ、ああっ、あべくん、阿部君!」
 名前を呼ぶ声が、甘えたように上ずって掠れる。
 汗ばんだ背中はしっとりとしてて、広くて温かくてたくましい。

 オレの腰を掴む手にも、遠慮はなかった。
 オレからも、遠慮を忘れてしがみ付く。
 無我夢中で腕を回し、舌を差し出して快感に溺れる。こうして経験を積んで、みんな大人になるんだ、な。

 正常位でさんざん揺さぶられた後、今度は抱き起こされ、ヒザの上で串刺しにされた。
「お前も動いて」
 耳元で囁かれると、それすら刺激になって、肩が跳ねる。
 ぎこちなくヒザを動かすと、それに合わせて突き上げられ、翻弄された。
 終わった後は、スパに行く前にって軽くシャワーを浴びて……中に出されたものを阿部君に掻き出され、それにもまたくたくたになった。

(続く)

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あきゅろす。
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