Season企画小説 鬼の弱点は××だった・後編 (R18) さすがに驚いて絶句してると、鬼はその卑猥な格好で、オレに「ありがと!」と抱き付いて来た。 裸の胸や二の腕がすべすべつるっつるしてて、うわっと思う。 「お、おい」 ちょっと動揺して、押しのけようと体を触ると、手のひらに吸い付くような感触だ。なんだコレ。 エロい。 オレの動揺をよそに、鬼はオレに抱きついたまま、耳元で「嬉しい」と弾んだ声を出している。 「お、オレ、節分に、こんな親切にして貰ったの、初めて、だ!」 って。 まあ確かに節分は、鬼には辛い日なんかもな。 恐る恐る背中に触ると、やっぱすべすべで、男同士だっつーのにドギマギした。 「それより食えよ。腹減ってんだろ?」 照れ隠しにそう言うと、鬼は白い腕をスルッと外し、オレの顔を間近で覗き込むようにして「うんっ」と笑った。 ドキッとした。 鬼はさっそく恵方巻きに手を伸ばしてる。 恵方巻き食う時の作法って、聞きかじりだけど確か、その年ごとの恵方に向かって、目ぇつむって顔上げて黙って食うとかじゃなかったかな? まあ、そんなんどうでもいいし、今年の恵方自体知らねーんだけど……。 「おい」 オレはふと思いついて、鬼に声をかけてみた。 「ちょっと上向いて、目ぇ閉じて食えよ」 鬼は何のためらいもなく、オレの言うコトに従った。 目を閉じてちょっと上向きで、太くて長いのを口いっぱいに頬張る――その横顔がエロい。 さすが、元は芸者相手のお大尽遊びって言われる程だ。 しかも半裸だし。 「なあ、美味い?」 そう訊くと、鬼は律儀に薄目を開けて、オレの方をちらっと見た。 「お、おいひい」 って。 くわえたまま喋んなっつの。エロ過ぎる。 最初はエロ面白かった横顔が、なんかもう卑猥で見てらんなくなって、ちょっとだけ視線を上に向ける。 そしたら次に目についたのは、柔らかそうな髪の中から、にゅっと覗いてる赤茶色の角。 鬼ってのは確か、鬼門が北東、つまり丑寅の方角だから、牛の角に虎の毛皮の服なんだよな。じゃあ、これも牛みてーに固いんかな? そう思って、何の気なしに触ると――。 「んほぁっ」 鬼が恵方巻きをくわえたまま、身をよじった。 なんだ今の声? つーか、その目つき、それ誘ってんの? 角に触覚なんか普通あるか? いや、動物と鬼と一緒にしちゃダメなんか? もっかい手を伸ばすと、鬼がびくっと首を竦める。構わず片方の角に触ると、やっぱ固い。 固いけど、何つーか……木の枝みたいなんじゃなくて、ちゃんと血が通ってる気がする。 温かい。 と、そんなこと考えながら触ってたら、鬼がまた身をよじった。 「うふぅ、あうぇ」 何言ってっかワカンネーけど、顔が赤い。 「いーから、早く食えよ」 そう言いながら触るのをやめねーでいたら、鬼は一気に残りを口の中に押し込んで、うるんだデケー目でオレを見た。 無理矢理恵方巻きを詰め込んだせいで、頬がパンパンにふくれてる。 その様子は可愛いっつーより変顔に近いのに、なんでこんな色っぽく感じんだろう? 両手で口元を抑えてる様子も、オレを警戒してる目も、一生懸命恵方巻きを咀嚼してんのも、何もかも可愛い。そしてエロい。 ようやく寿司を食い終わったのか、ぜいぜいしながら鬼が言った。 「つ、角、だめ……」 「はぁ? なんで?」 理由なんて言われなくても分かってたけど、敢えて問い返しながら、今度は両手で両角に触れる。 「あああん」 ひときわ高い声が上がった。 やっぱ確実だ。こいつ、角に弱い。 ふはっ、と思わず笑いながら、親指で強くこすってやると、「らめぇ」とか言いつつ鬼の体がぐにゃぐにゃになった。 すべすべでつるつるの白い肌が、うっすらピンクに染まってる。 トラ縞模様のビキニパンツはパンパンで、鬼が勃起してんのは明らかだった。 オレの方も息が荒い。 「これ、毛皮?」 鬼を床に押し倒し、そっとパンツを上から撫でると、毛皮かどうかはよくワカンネーけど、肌触りのいい生地だった。 脱がせると、きれいな陰茎がぶるんと出た。 先端はぐっしょりと濡れている。 「はぁ、ら、らめぇ」 鬼は舌っ足らずに言いながら、ヒジを突いて弱々しく身を起こそうとする。 けど、もうここまで来てやめるなんてできねーし。 オレも限界だ。 白い脚を割り開いてその間に入り込み、後ろの穴に指を1本突き立てる。 「やぁ、いたっ」 鬼が高い悲鳴を上げた。 痛いっつーだけあって、蕾は固く閉じている。 「力、抜けよ」 オレは裸の背中をさすりながら、鬼の頭に顔を寄せた。 髪からはふわっと日向の匂い。 そこから突き出る小さな角に、そっと軽く歯を立てる。 「ふわっ」 鬼が甘い声で啼いた。 穴を広げるための指を増やしながら、出し入れしながら、角を噛む力を強くした。 「ふあ、ああ、ああああん」 オレの腕の中で弓なりに反る白い体。甘い悲鳴。 もう、これ、我慢とか無理だし。ズボンの前をくつろげて、爆発間近な陰茎を取り出す。 鬼はもう抵抗しなかった。 貫いた瞬間甘く叫んで、それからはもう、オレの背中に縋りついたまま、ずっとあんあん啼きっぱなしだ。 温かな肉がオレを包み、きゅうきゅうと締め付け、もっともっとと欲しがってる。 泡を吹くように善がってて、キスしたら、唾液も舌もとろっと甘い。 無茶苦茶に揺さぶり攻めながら、赤茶色の角を噛んでやると、啼き叫んで射精した。 なんだコレ、スゲー善い。 奥がトロトロで先っぽから溶けそう。 突き入れる度に、ぐちゅぐちゅと卑猥な音がする。 「ああっ、あ、ああっ、あんっ」 甘い声が部屋に響く。 もうどう動いても気持ちいいみてーで、背中に爪を立てられる。 オレに合せて揺れてた足が、いつの間にかガッチリと腰に巻きついてて離れねぇ。 「ふは、やべ……」 食われてるみてぇ。コイツオレをくわえ込んで、放そうとしねぇ。スゲェ。 鬼だ。 ヤベェ。もってかれる。 けど、今更やめるなんかできなくて――。 オレは節分の夜が明けるまで、鬼の中から出られなかった。 (終) [*前へ][次へ#] [戻る] |