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セイレーンの恋/完結
コロニー
海底へと水飛沫を上げ8人のセイレーンが潜っていった。

マザーのいるコロニーは海底にぽっかりできた洞窟にあるため、皆そこへ戦利品をもって水の中をはばたいてゆく。

コロニーは水の中にあるにもかかわらず、マザーの魔力により酸素に満ちあふれ、奪った宝飾品で飾り立てられ、武骨な洞穴のはずなのに神聖な神殿のような、そんな雰囲気を醸し出していた。


オリンピア含むアイーダのチームが帰還の挨拶をしに奥に鎮座するマザーに謁見しに向かった

マザーは他のセイレーンよりも巨大であり、洞穴の壁面一杯に翼を延ばし、胸元に繭を幾つも浮かばせた姿をしていた。
そして…寄り添うように雄セイレーンだった、巨大なシーサーペントが足元に鎮座していた。

「マザー。本日の収穫となります。お納めください。」

うやうやしくアイーダがひざまずき、袋を差し出す。
うっかり者のカメリアも、宝石が入った袋を差出し、マザーの支持を待った。

「皆、ありがとうございます。次の子達の為肉は一袋を残し、皆でわけあってください…。そして宝石は、皆で分かち合いましょう…。我々海の民への土の民からの贈り物ですから。」



そうして、マザーとの謁見は終わり、食事の時間が始まった。

やはり、新鮮な「肉」はおいしいと迷いを抱きつつもオリンピアは他の7人と分け合いながら、肉をすすり、噛み砕きながらそうおもった。

「アルフレードもいっぱいたべるんだよー!ラダメス兄さんみたいにマッチョにならないとだめなんだから!」

カメリアの気楽な声が洞穴に響く。

他の刈りにでていた者達も帰ってきて食事をしている輪が沢山できていた。

賑やかに武勇伝を喋る者、酒を飲みくだをまく者、50数匹のコロニーの者達が全て集まり、互いの狩りの話に花を咲かせていた。


そんな時、オリンピアはこっそりと抜け出し、マザーの部屋へと向かった。
この違和感を払拭するために。そして、コロニーのためにも…と。


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