地平が織り成す夢物語
其処に君がいる限り(穴掘)
「名前〜!」
「ズヴォリンっ!?」
発掘現場に愛しい背中を見つけて駆け寄れば、君は驚いて跳ね上がる。
「君はいつ見ても美しいねぇ」
「もう、いつもいつもそうやって……止めてよっ!!」
「おぉっとーこれは失礼。けれども、私にそう言われるのが嫌と言いながら、毎日来るもんだねぇ。」
「…ぅ…」
事実を言ったまでながら、名前は顔を曇らせて目を逸らす。
やはり図星といったところらしい。
「いやいや、君に毎日会いに来てもらえるなんて、私は幸せものだよ」
「……そもそも、ズヴォリンはこれ浮気にならない訳?エイレーネさん怒るんじゃない?」
「エイレーネのことなら心配御無用。彼女ならわかってくれるさ」
…実際のところそうはいかないのだけれど。
「…名前、今日こそ私を受け入れてくれるかい?」
「…受け入れるも何も……」
「一ヶ月も前から言っていることじゃあないか。」
「………だってうけいれた所で私愛人じゃないの」
「その通り」
やっぱり愛人はまずいっしょ。
そう言って名前は笑って行ってしまう。
実際君の方が愛しているんだが…
エイレーネのお腹には子供もいるし。
君は私に妻さえいなければなびいてくれたのだろうか?
いや、たとえ何らかの理由があって私を受け入れてくれないとしても、それでも私は君を愛し続けるだろう。
其処に君がいる限り
09*12*11
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