地平が織り成す夢物語
覗きは犯罪ですよ?(紫狼)
注意→エレフが変態です。
「…はあ、またあの人たちは…」
白い布にたくさんのほつれ。
破けている箇所も多々。
…俗にいうアメティストス率いる奴隷部隊の人達の服である。
一応戦場へ出ているのだから確かに仕方ないといえばそうなのだが。
それでも毎日の様に裁縫させられるのは勘弁です。
「……そもそもエレフに拾われただけでなんで下宿のオバさん的な仕事しなきゃいけないの?」
ぶつぶつ独り言いいながら、エレフのものであろう服のほつれを直していく。
「閣下、ご報告が……」
「こらオルフ、静かにしろ。」
「…一体何を…?」
「いいから静かにしろっ、名前に気付かれる!」
何やら柱の影に隠れてこそこそしている我等がアメティストス将軍閣下。
その視線の先には、奴隷部隊のマドンナ、名前。
「…ああ、そういうことですか。」
閣下はいつもこうだ。
時間があれば名前の部屋へいき、追い出されてはまた覗きをし。
しかし先日、ついにしびれを切らした名前は閣下を怒鳴り付け、部屋への立入禁止を宣告したのだった。
「…名前に怒られますよ」
「……嗚呼、名前の裁縫している姿は本当に萌えるな……やはり服をわざと破くのは成功だった。」
「話聞きましょうよ、てかわざとなんですか」
全く…しょうがない将軍閣下、だ……ぁあああ!!??
呆れて振り向いた瞬間目に飛び込んで来たのは将軍と同じ体勢で中を覗き込んでいる我が同胞達。
因みにざっと10人以上。
……一体なんなんだここは…
思い切り、溜め息をついた。
「…あぁ〜肩凝ったー…」
ようやくエレフの服を縫い終えて、ぐーっと上に伸びる。
少し休憩しよう。
確か美味しいパンが残ってたはず。
エレフはめんどくさいからオルフでも誘おう。
「よいしょっと。ついでにエレフに渡してもらおー」
と思ったら、瞬間的に眉根に皴が。
だって柱の影から見慣れた赤紫のマントが見えるんですもの。
「……エレフ……いえ、アメティストス将軍…」
だから私は最大の憎悪を込めて笑顔で言ってあげました。
覗きは犯罪ですよ?
その後、オルフによって介抱されるエレフの姿があったとかなかったとか。
09*12*06
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