地平が織り成す夢物語
その理由は、愛故に(蠍殿下)*
*微裏注意
「………殿下」
「…なんだ」
ベッドに押し倒される形で上を見れば、眉をひそめた殿下の顔が見えた。
何故こうなっているんだろう。
「…避けていただけませんか?」
「断る。」
「………ではその理由を教えてください。」
男に押し倒されている割には随分と冷静だな。
そんなことを言って殿下ははぐらかす。
「………殿下」
「………理由よりも自分が置かれている状況を考えろ」
「……っ…」
温かい唇が、私のものに重ねられる。
顔の横に置かれていた手が私の手を掠い、ごつごつした指が絡められた。
「………ふ、ぁ……」
角度を変えながら送られる深い口付け。
殿下のものであろう髪の毛が頬をくすぐる。
「………名前…」
ゆっくりと唇が離れた後、殿下は優しく低い声で私の名前を呼んだ。
「…………お前を、愛してる…」
顔を赤らめた貴方は、私の耳元でそう囁いた。
09*12*28
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