地平が織り成す夢物語
狂気が奪うのは(獅子)
何故、なんだろう。
彼女の笑顔が大好きだったのに。
…それなのに。
「…レオン……」
彼女の胸に刺さった槍が、彼女の熱を、血を、生を、命を奪っていく。
「…名前…」
苦しみながら私の名を呼ぶ彼女を見て、私の中に生まれた感情は、悦楽。
そして彼女の胸を突き刺したのは、他ならぬ私。
「−−−−」
もう出ることのない声で、名前が何かを呟いた。
光を失っていく瞳が、私の瞳を捕らえた。
……彼女には、一体どんな表情が、見えたのだろう…
それはもう、誰も知らない。
09*12*22
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