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地平が織り成す夢物語
冥府の闇の中で。(冥王)


「…名前……」


「……冥王、様……?」




冷たい指が、頬に触れた。

其の冷たさは生では無い事の証。



「…ドゥシタ…?」

「……ん…なんでも無いです、よ…?」




深淵なる闇にふわりと包まれて。

飲み込まれそうになる暗闇ではあるのだが、優しく、心までも包み込まれてしまうような、そんな抱擁。



「…ダガ、涙ガ流レティル…」


「……………」


「……帰リタィ、ノカ?」



私は、本来ならばこの場所に居るべきでは無い存在。

でも冥府の王と恋に落ちた私は地上の家族や友達を捨てて冥王と共に生きることを選んだ。


…冥王の事は勿論愛してる。

だとしても、やっぱり家族を愛しく思うことも有る。



「…家族…父さんや母さん、兄さん達が、今何してるのかなって思っちゃったり……本当に時々なんだけど、寂しいなって思うこともあって、ね…」

「…案ズルナ…ォ前ニハ、私ガ居ル…」



私が応えると、冥王は耳元で囁いてきた。


優しく、甘く、宥める様に。



「……冥王様」

「…名前…愛シティルゾ…」






Θανατοs…







09*06*27* * *



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あきゅろす。
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