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西国向上委員会
西国向上委員会 〜初心〜

「―――では、人も集まったところで会議を再開し・・・げふ。」
「よく生きてたな・・・毛利。」


時は戦国。
己の欲望を叶えんとする為に、安芸の国某城では謎の集会が開かれていた。

「無論。我が日輪の光を浴びるその日まで滅するものか・・・。」
「簡単に言うと、目立ちたいだけだよな。んで、島津のおっさんはどこにいる?どうせこの流れだと更に遠ざかってんじゃねえのか?」
「先程文が届いた。チェストは今、出雲にいるそうだ。」
「以外と近っ!!」
「我にはわかる。我の切なる想いがチェストを引き寄せたのだと。」
「本当にこのままちゃんとたどり着くのかよ・・・・・・。」


「―――さて、では続きを始める。」
「前回の人魚姫作戦はもう勘弁してくれよ・・・。」
「何を言うておる。魚の身体を持つ姫などこの世に存在する訳が無かろう。寝言は寝て申せ。」
「て、てめえ・・・ッ。」
「そんな事より、我は大変な事実に気づいてしまった。」
「ほお。」
「それは、」



「我らはそもそも、敵として登場していたのだと!!!!!」



「は!?今更!?今更そんな原点に戻るか!?」

「ほう。貴様も知っておったか。左様、我らの初登場時は共に敵武将扱いで、愚民共の操作は不可能であった。」
「逆にすっかり忘れてたけどよ・・・。だがよ、今更それ言ったってもう昔の事だしよ。どうにもならねえだろ。」
「案ずるな。幸いこの日本国には、時空を行き来できる道具を持つ青いカラクリ猫が存在する。」
「何の話だ?」
「青いカラクリ猫の居候している宿の机の引き出しにその道具が隠されているという。」
「だから何の話だ。だがカラクリ猫か・・・いいな・・・。・・・で、過去に行って具体的にどうすんだ?」

「ゲームの設定を我好みに作り替えてもらう。まず制作会社上層部に掛け合い・・・、」
「主役にしてもらうよう話し合おうってか。あんたにしては穏便な策だな。」
「当前だ。交渉に応じぬ時は、戦極ドライブ[参]・究極バサラ技で我の力を見せつけねじ伏せるが。」
「やっぱ武力行使じゃねえか。その時代は戦極ドライブ無えけどな。」
「パッケージは勿論、我だ。
別に一人でも十分なのだが、手に取る愚民に、よりBASARAの世界観を理解してもらう為に貴様の参加も許す。」
「単に一人で写真撮影が淋しいんだろ。じゃあシステム面はどうなんだ?」
「一人の戦国武将が次々と現れる敵をなぎ倒すアクション遊戯だ。」
「そこは普通なのか。」
「我をレベルMAXにし、尚且つ百回使用するまで他の武将が出現しない。」
「そのシステムうぜぇ!!」

「初回限定版も考えておる。」
「お、いいじゃねえか。」
「その名も戦国BASARA“宝箱”!」
「待て、それは別の戦国ものの限定版の日本語訳だ!!色々やべえ!!」
「中身は、毛利くんステッカー、毛利くん絵はがきセットなど。」
「無視かよ。」
「目玉は等身大毛利くん人形。十六ものジョイントパーツにより、さまざまな格好をさせる事が出来る。・・・そこ、あり得ない方向に間接を曲げるでない。
更に、白・青・黄の色違い兜も付属している。・・・そこ、白オクラと呼ぶでない。
そして更に!音声目覚まし時計機能も付けてみた。」
「ほおー。」
「そこの突起部分を押してみよ。・・・誰が兜を押せと申した。足元にあるであろう。」
「これか。」

“あさですよー♪おきて、おきて♪ あさですよー♪”

「ちょっと待て!誰の声だこれッ!!」
「やはり我の声ではないとばれるか・・・。」
「ツッ込み所はそれだけじゃねえけどよ。普通、毛利の声が出ると思うじゃねえか。」
「そ・・・そんなに我の声が聞きたいか・・・。・・・ふふ。では仕方が無い、我の声で収録し直すとしよう。」

「あー、あー、本日は晴天なりー、こほん。」
“朝だ!さっさと起きぬか!!”

「駄目だな、もっと優しくいかねえと。」

「長曾我部は優しく起こしてもらう方が好みか・・・。では、こほん。
“あ・・・朝だ。起きるがよい、我の胸の中で・・・。”

「・・・どうだ。感情を込めてやったぞ。き・・・貴様の心に響いたか?」

「やれば出来るじゃねえか。だが言っとくが、俺はあんたの胸の中でなんか起きたくねえからな。」
「・・・ふ、ふん。別に貴様の為に声を吹き込んだのでは無い。
では、これだけ準備も出来たところでいざ過去に向かおう。さあ、早く青いカラクリ猫を作るがよい!!!!」
「俺が!?今から!?」
「我を待たせるな。急げ。」



「やっぱ過去にこだわるよりかこれから思いっきし活躍していく方が大事だよな。」



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あきゅろす。
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