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西国向上委員会
西国向上委員会 〜従者〜
「―――では、人も集まったところで会議を開こうと思う。」
「・・・待て待て待て毛利。俺とあんたの二人しかいねえじゃねえか。」


時は戦国。
まさに今、安芸の国某城にて謎の集会が開かれようとしていた。

「無論。今回この会議は西国の者の西国の者による西国の者のための企画ゆえ、余計な輩を省いた結果こうなった。」
「はあ。まあ、あえてザビーを呼ばなかったのはいいとして、島津のおっさんはどうした?」
「チェスト・・・いや島津は、最南端から来る途中、不慮の事故に遭い・・・」
「まさか・・・!!」
「今、駿河のあたりにいるそうだ。」
「ああ迷子な。」
「しかし我にはわかる。必ずやチェスト・・・いや島津は、」
「・・・もうチェストでいいからよ。」


「―――集まってもらったのは他でもない、最近青いのだか赤いのだか知らぬが、東国の面々が目立ちすぎている。」
「おお、それは俺も思ってたぜ。あいつ等の活躍に比べ、
俺たちゃ“あにめ”の出番も少なかったばかりか“舞台”とやらにも出させてもらえなかったしよ。」
「何故我がそのような仕打ちを受けねばならなかったのか。
そこで我なりにその理由を考えてみた。」
「ほお。」
「それは、」



「主従萌えだ!!!!!」



「・・・その言葉をどこで聞いてきたのかは聞かないでおいてやるよ・・・。」

「聞けば、青いのにはなんたら小十郎、赤いのにはなんとか佐助と、それぞれ腹心の部下がいるそうではないか。」
「何故下の名前だけ記憶してんだ!?」
「それに比べて我等はお互い独り者・・・。いや我は別に独りが淋しいから言っているのではないぞ。」
「はいはい。だけどよー、部下だったらたくさんいんじゃねえか。」
「いかにも。しかしここで大切なのは“個性”というものなのだ。」
「個性・・・。」
「なんたら小十郎は武器として常に、葱とごぼうを構えているらしい。」
「嘘だろ!?」
「なんとか佐助に至っては、主に内緒で度々“天狐仮面”とやらに変身するらしい。」
「すげえ・・・。」
「我等にもこのような愉快な部下がいればよいのだ。」
「いきなり言われてもなあ・・・。毛利、あんたんとこはどうなんだ?」


「フフフよくぞ聞いてくれた。紹介しよう、これが我の新しい部下、人呼んで“駒・壱!”」
「まんまじゃねえか!!」
「悔しかったら貴様も“雑魚・壱”とかで対抗してみせよ。」
「俺の部下はザコじゃねえ!!」
「なんとこの駒・壱は茄子ときゅうりを常に装備し、尚且つ夜な夜な“天狸仮面”となって活躍するという、」
「そうなのか!?」
「・・・設定を、今考えた。」
(・・・なああんたも嫌なら嫌って今のうち断ったほうが・・・)
(そそそそんな事を口にすれば首が飛んでしまいます 故・・・・・・。)
駒・壱は必死だ。

「では駒・壱よ、今より特訓だ。我の為に設定通りに動いてもらう。
長曾我部も我に負けたくなければ良い従者を見つける事だ。」
毛利は駒・壱を引きずって去り、勝手に会議を終了させた。
駒・壱は涙目だ。



「・・・やっぱり部下はお前らがいてくれればいいぜ!今のままが最高だ!」
「アニキ〜!」
「アニキ、どこまでもついていくぜー!!」
「アニキ、最高!」




しかしアニキは知らなかった。
「――ちっ、オレが“キャラクター”化されて活躍できる絶好の機会だったのによー・・・。」
「何言ってんだ、俺のほうがアニキの隣に相応しいぜ。」
「はあ!?お前その顔で何言ってんだ。」
「顔なんてみんな同じじゃねえか。」
「出世すれば美形になれんだよ!前田慶次なんていい例だ。」
「なら俺にだって――・・・」




 ・・・主従作戦中止!次回へ続く!!




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