小説C サンタクロースに会ったよ!(こばと。) ※中毒最終回後、こばたん転生後 ※こまけぇことはいいんだよ! 静まり返ったミセで、四月一日は雪を眺めていた。 しんしんと降る雪を見ている内に、こんな日は熱燗で雪見酒だなー。としみじみと考えていた時だ。 「四月一日ー!」 「お客様が来たよー!」 このミセを守る二人の少女がわいわいと騒ぐ。 「そーか、客室に先に通しておけ。」 「はーい!」 「はーい!」 二人分の足音に加えて、聞こえ難い足音が鳴り響く。 「…今年も来たか。」 四月一日は小さく苦笑いを溢した。 客室のドアを開けると、机の上に箱が置かれ、その上に青い犬の縫いぐるみがちょこん。と座っていた。 「よお。」 縫いぐるみが言葉を発した事にも驚かず、四月一日は小さく頷く。 「来て頂いて嬉しいです。五百祗さん。」 「毎年お世話になってるからな。ほれ。」 五百祗が渡す箱に、四月一日の顔に笑みが浮かぶ。 「小鳩ちゃん、喜んでいましたか?」 「ああ、それはそれは。お前にサンタクロース役を任せて正解だったよ。」 昨夜、四月一日は、五百祗の頼みで、花戸小鳩の家にプレゼントを置きに行ったのだ。 サンタクロースの存在を信じている小鳩にショックを与えない為にも、面識の無い四月一日をサンタクロースに変装させ、小鳩が欲しがっていた新しい帽子を置いて貰っていたのだ。 今、五百祗はその時の対価を払いに来たのだ。 「本当に玄琥さんのバームクーヘンは美味しいですよね。」 「いつも思うのだが、対価には十分か?」 「十分ですよ。珍しい薬草が練り込んであるのですから。」 四月一日は優しく笑う。 四月一日は、何よりも五百祗の優しさが嬉しかった。 ぶっきらぼうで、暴れん坊の彼だが、小さな少女の夢の為にここまでする心が。 「そうだ。熱燗しようと思ったのですが、五百祗さんもどうですか?」 「お…おう!悪いな。」 照れたように笑う五百祗に「少しお待ちを。」と言い、四月一日は客間を出た。 外では、雪が柔らかく降り、熱燗の美味しさを引き立ててくれそうだった。 遅くなった上に、gdgd わたといお様の絡みが書きたかっただけ(実は他の異界メンバーやこばたんも書きたかった。) [*前へ][次へ#] |