小説 短冊の色は赤(りんご様キリリク) 信号をランパスがひたすら眺めていた。 あの時、何故気に留めてなかったのだろう。 ジェリクル一こういう事に敏感な私が。 (あら?) 七夕用の笹に、一つだけかけらた赤い短冊。 そこにはランパスの名前と、『時間がこうなりますように。』という願いが書いてあった。 (…こうなるって、どういう意味かしら。) 不可解な赤い短冊に首をひねっていると、後ろから私―ボンバルリーナを呼ぶ声がした。 ランパスだ。 「リーナじゃないか。さっきから何を考え込んでるんだ?」 赤い短冊が出してきた問題にお手上げ状態だった私は、もうこれは本人に聞いてみるしかないと思った。 「ランパス、貴方の短冊のことなんだけどね…。」 私はランパスにあの短冊のことを一通り話す。 すると、ランパスはいかにもバツの悪そうな表情を見せた。 「ああ…この前のデートの時に赤信号を見て思ったんだ…。」 この前のデート、赤信号。 そういえば、私を送っていく際に赤信号を見て何だかぼんやりとしていた。 思い出していると、頭の中にある考えが閃く。 そういえば、赤信号は止まれ―。 「赤信号と同じ色の短冊に、時間が止まるようにって書いたの?」 私の推測に、ランパスは頭を掻いた。 「正解…。俺はお前と一緒にいられる時間が止まればいいと思った。」 ぶっきらぼうな口調で呟く彼が愛しくて、私は思わず笑ってしまった。 「大丈夫よ、時間がどれだけ流れても、私は貴方といた時間を心に刻み付けるわ。…それに、」 私は空を見上げる。夜空を所せましと光輝く星が埋め尽くしていた。 「もし一年に一回しか会えなくなっても、私は織姫と彦星みたいに待ち続けるわ。」 胸を張って答える私に、ランパスは満足そうに微笑んだ。 時間に赤信号は必要無い。 だって、互いを想い合うのに、時間の流れは関係無いんだから。 もうすぐ七夕…ということで七夕ネタ。リーナ姐さん、初めて書いたような…。ランパスが妙に乙女…。 りんご様、駄文ですが、よろしかったらお納め下さい! ご報告、お待ちしてます! [*前へ][次へ#] |