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小説
正しい飼い猫の選び方
「…君逹も気になっているかも知れないが、人はどうやって我々を選ぶのか…」

バストファジョーンズの言葉に、うつらうつらしていた若猫逹ははっと上を向いた。
今、この場にいる猫逹の中で、飼い猫はバストファのみだ。
野良猫である若猫逹は、自分たちの仲間が人と出会えたのか知りたかった。

彼らはただの猫ではない。
飼い慣らされる事は無いジェリクルキャッツなのだから。


「彼らが我々を飼う条件はただ一つ。唯一の名が解る。それだけである。」

「…唯一の名!?」
「どうして人が解るんだ!」

コリコとギルが食いついて来る。
その様子を見たバストファは得意気に咳払いをする。

「我々は天上へ昇るかも知れない特別な運命を持つ猫。我らを飼うのは我らの本質を理解する者のみ。」

しかし、とバストファは告げる。

「勿論、いきなり解る訳ではない。何度か我々に顔を見せ、徐々に距離を縮め、我々を知る。そうすれば、人は我々を唯一の名で呼ぶ事が出来る。」

バストファの言葉が終わると、カーバが素早く手を挙げて質問をする。

「…唯一の名は、人だけが呼べるのですか?犬や鳥は…?」

「いい質問だ。カーバ。」

バストファは再び咳払いをする。

「猫以外で我らの唯一の名を呼べるのは、人だけだ。何故なら、人は自由かつ我々と通ずる自我を持っている。要するに、人は我々と良く似た生き物なのだよ。だからこそ、我々ジェリクルキャッツを一番理解出来るのだ。」


―特別な運命を持つジェリクルキャッツ。
彼らと暮らせる人はその自由な自我を理解する者のみ。―







バストファさんは、たまに若猫を惹き付ける話をしていたらいいな…と。



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あきゅろす。
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