小説
今年もこの季節が来ました(メイコ誕フリー)
美しい紅葉も散って、冬の風が吹く今日この頃。
私はカイトと一緒にココアを飲みながら、窓の外を見ていた。
今日、ミク逹が来るので綺麗にした窓は、枯れるばかりの淋しい風景を私達に見せていた。
「きっと、街はだんだんクリスマスに向けて準備を進めているだろうね。」
「あら、もうそんな季節なの?」
「うん。もうすぐ今年も終わりだね。」
カイトは楽しそうな声で話す。
彼の場合、イベント事を何よりも楽しみにしているから、年末年始は堪らないのだろう。
そして、今日―私の誕生日も。
「めーちゃん、今日はおめでとう。」
「…ありがとう。」
私がお礼をすると、カイトが立ち上がり、厚手のブランケットを持って来た。
そのブランケットを私にかけたかと思えば、彼はその中に潜り込んで来た。
「カイト!?」
「こうした方が温かいしー。」
カイトの言う事は最もで、ブランケットの中はすぐに温まっていく。
極楽にいる様な表情をしたカイトを見ながら、私は気を落ち着けようと残りのココアを口に含んだ。
気のせいか、先程よりも甘く感じる。
「来年もこうやって一緒にいられたらいいね。」
いかにも満足した様子で語るカイトに、私は頷いた。
窓の外にある風景は、相変わらず淋しい。
でも、私達の心は、これから来る季節が連れてくる賑やかさを想像しているから、楽しさを覚えていた。
めーちゃん、お誕生日おめでとう!
11月中フリーです。
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