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小説X
青に溶ける(ローガン+ミスティ)
夏も近づいてくるこの頃。
拓けた草原に寝転がり、空を見上げるのが最近の日課となっている。
春の頃よりも濃い青が俺の目の前に広がっている。白い雲が映えていてとても綺麗だ。

ぼんやりと空を見ている俺の目の前に、人影が覗き込んできた。
しかも、俺と同じ顔…。
いや、顔だけではなく全てが同じだ。

…あいつだ。

「ミスティーク。」
俺が呆れたような声で呼ぶと彼女は笑い、自分の声で俺に応えた。
「ウルヴァリン、お久しぶりね。」
その笑顔は俺の顔をしていてもやはり彼女らしさで溢れていた。
「あなた、最近ここに来て何してるの?」
彼女は俺にそう聞いてきた。
「―空を見ているのさ。最近、青が増して綺麗だろう。」
俺が答えると彼女は「あら。」と言って続ける。
「あなたもこの空が好きなの?私もそうだけど、ただ綺麗だからって訳じゃないの。」

彼女はそう言うと変身を解いた。
そして青い肌に覆われた腕を空にかざした。
「ほら、私の手、空と同じ色をしているでしょう?」
彼女は俺にまた笑いかけた。
確かに青い肌に覆われた腕は空に溶け込んでいるように見える。

「私、この時期の空が好きよ。肌と同じ色をした空と一緒に流れる雲や吹いてくる風を感じることが出来る気がするの。」

そんな事を言う彼女の表情はどこか心地良さげだ。
その様子を見ていると彼女が感じる雲の流れや風の吹く様子などが俺にも伝わるようだった。

爽やかな青い空は、もうすぐ新たな季節が訪れる事を物語っていた。

ミスティーク初登場です。
ウルを出したかったので彼と絡んでもらいました。

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