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前世編
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コンコン…

『どうぞ。入って?』

「はい。失礼します。お茶とサンドイッチ、ホットミルクをお持ちしました。」

ドアを開けたのは先ほど会話をした侍女のテティスだった。

『わぁ、ありがとう。そこのローテーブルに置いてくださるかしら?』

「はい。あれ?コロナはどこに??」

『クス…。先ほどアームチェアの上で眠ったばかりなの。』

「あら意外。いつもティータイムは起きてプリンセスのお相手してるのに。じゃあ、ミルクは下げないとダメね。」

『長旅だったのできっと眠かったんだと思います。』

「そうでしたか、プリンセスも今日はお早めにおやすみになってくださいね。」

『ありがとう。そうするわ。』


「あ!そういえば、聞きましたよ。また留学なさるんですか?」

『ええ。今度はキンモク星というところへ。』

「わぁ、さぞかし楽しいと思いますよ。あの星で作られる金木犀の紅茶がとても良いとかで…。」

『そうなの?楽しみだわ。』

「是非楽しんできてください、プリンセス。」

『ありがとうございます。テティス。』

「では、ごゆっくり。」

パタン

『ふぅ…懐かしい…。 久しぶりに太陽で過ごすわね…』

このあとサンドイッチとお茶を堪能した後、留学後の荷物を片付けてから別のトランクを用意して、夜の無い太陽でカーテンを閉めて寝た。

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