前世編
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「ここがあなたの部屋よ。」
『わぁ…素敵!バルコニーもあるのね!』
「ええ。ってちょっと!」
素敵な客室を目の当たりにしたソレイユは早速ドアを開けてバスルームへ駆けだした。
『見て見てコロナ!猫足バスタブまであるわ!』
「ね、ねぇ。」
『まぁ!ベッドが大きい!うちのよりもずっと過ごし良さそう!』
「ちょっと!」
『え?』
ベッドの脇でピョンピョン飛び跳ねていたソレイユはヒーラーの怒気を含んだ呼びかけにハッとした。
『ああ!ごめんなさい。ついついはしゃいでしまって…。』
「さすが…他国のプリンセスともなれば違いますね…。」
呆れた視線とともにメイカーが言ったその言葉にコロナはピクリと反応した。
『そうかしら?特別なことは習ったことはないですが…』
皮肉が通用しなかったことにヒーラーはピキッと青筋をたてた。
「とにかく…何処の馬の骨かわからないアンタをアタシ達は歓迎なんてしてないから!」
「1つでも私達のプリンセスに何かあって見なさい?」
『大丈夫。ちゃんと守るから。』
突然真剣な顔つきになったソレイユに驚きつつ偽善者ぶってるだけだろうとライツは鼻で笑った。
「自分の身をってわけ?」
『そんなことないわ。あなた達も守るもの。』
「ありがた迷惑。」
ピシャリと言い放ちヒーラーは先に部屋を出た。
「あなたがなにをしようが勝手だけど巻き込むのだけは許さないから。」
そう言ってファイター、メイカーもヒーラーに続いて出て行った。
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