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桜咲く夜
5.


夕方。

日も落ちてしまいあたりが暗くなったところで私は今日の練習を引き上げ弓と矢を
持って道場を出た。


「緋紗江ー!ごはんよ〜〜。」

道場から出るとお母さんがエプロン姿で
家の前で立っていた。

『はーい!!今行く!』

お腹がペコペコだったので急いで走ろうと
したとき、


緋紗江……。

ーーードクンッ


小さな声が聞こえ、私の鼓動が大きく
鳴った。

『え?』

「緋紗江?どうしたの?」

御神木から聞こえた気がして足を止めた。

『御神木から聞こえたの??』

「緋紗江!御神木に触れちゃダメ!!」

お母さんの焦る声が聞こえたけど私は興味と好奇心に負けてしまって御神木に


ーーー 緋紗江…時は来ました。旅立って行きなさい……


触れた。


「緋紗江!!」


ピカァーーッ

戦国の世へ!


『え??うそっ…キャアッ!』


パァアアーー




緋紗江は忘れていた。
おばあちゃんの言いつけを…



「いいかい?緋紗江。満月の夜は決して御神木に触っちゃダメだよ。」

「違う世界へと連れて行かれちゃうからね。」



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