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桜咲く夜
4.


初めておばあちゃんに弓と霊力を使う技を
教えてもらったのは私が5歳の頃だった。



「矢の射り方はわかったかい?緋紗江。」

『はい!おばあちゃん!』

「じゃあ試しに一つ射ってみなさい。」

『はい!!』

緋紗江は、教えてもらった通りに力一杯弓を引いた。しかし始めたばかりの子供の力で的には届かなかった。

『やっぱり今日も当たんないや。』

「でも上出来だよ。小さい手であんな遠くに矢を飛ばすし方向もあってる。流石、覚えが良いね緋紗江。」

『えへへ。だって緋紗江、練習頑張ったもん。』

「本当にえらいえらい。」
『おばあちゃん、いつになったら緋紗江に “れいりょく” のつかいかたおしえてくれるの?』

「ん?そうだねぇ。そろそろかねぇ…。どうせなら今日教えるかい?」

『やったぁ!どんなの?どんなの?』

「まず、弓を構えてごらん。」

『こう?』

「そうだよ。そして念じてみなさい。」

『わぁっ!矢が光ってる!…あれ?きえちゃった。』

「集中していないとすぐに矢にこもっていた霊力が消えてしまうからね。」

『わかった。緋紗江、れんしゅうまいにちがんばる!』

「えらいね。緋紗江。じゃあがんばろうね。」


「お義母さーん、緋紗江!ごはんよー!!」

「おっと。今日のこともお母さんには内緒だよ。」

『きょうもさんぽにいったことにするの?』

「ああ、そうしよう。」


2人でいたずらをした子供のようににんまり笑いながら家へ向かった。

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あきゅろす。
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