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消失少女
どうかあの世で



近藤視点




時雨が亡くなってから総悟は魂が
抜けてしまったかのようだった。


一番近くで時雨が亡くなる瞬間を見てしまったのだから無理もないかもしれないが虚ろな目で微笑んでいる時雨の遺影を見つめ続ける姿はとても痛々しかった。



空っぽな棺桶は俺たちには…
総悟には現実を受けとめるには辛すぎた。


代わりに棺桶には花がたくさん詰められていた。

万屋の旦那もチャイナ娘も新八君も
泣いていた。

お妙さんも涙を堪えながら棺桶に花を入れていた。



みんな時雨が亡くなったことを
受け入れたくなかった。

だが、現場を調査した役人曰く爆弾のすぐ隣にいたから体は残る事はないとの事で

全員あの爆発の中無事で居られるはずがないと諦めていた。

もちろん俺も………。



そして

あれから3年経ったんだ……。



総悟も少し立ち直ったのか笑うことが少なくなったが仕事が出来るようにまでなった。


「総悟…冷えたしせっかくだから何か温かいもの買ってくるか?」

「平気でさァ。急いで屯所に帰ってあったまったほうがよさそうでィ。」

「ああ、わかった。」

もう成人したからなのか、まだ完全に立ち直れていないのか3年前の総悟と比べてすっかり大人びて落ち着いている。


「雪、結構降りますねィ…。」

「そうだな…。」



時雨……。お前が今の総悟を見たらなんて言うんだろうな…。






もし、天国でミツバ殿と総悟のことを見ているんだったら


どうかあの世で


見守っていてほしい。



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あきゅろす。
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