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消失少女
協力




「話ってなんですか?総悟さん。」

「とうとうわかったんでさァ…だいぶ時間がかかりやしたが「の前に…失礼する。」


「土方さん…何の用ですかィ?こっちは話の途中なんでさァ。」

「御用改めである…。」

「え?」

「土方さん!なに勝手な事しやがってんでィ!」

「アンタに傷害罪の容疑がかかっている。大人しくお縄について貰うぜ。」

「私…が?」

「ああ…籠狗夜と言う名のな…。」

「そうですか…。とうとう…」

浅葱は小さな声で何か呟き、抵抗せず感情的になる訳でもなく両手を差し出した。


」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

「時雨!!」


山崎から話を聞いて来た沖田は亡き時雨の名を叫んだ。

「総悟…。」

浅葱は一瞬目を見開いたが目を伏せ眉を下げて沖田に言った。

「ごめんなさい…。」

浅葱はそのまま隊士につれていかれた。


「土方さん。あんたは時雨が憎いんですかィ…?」

「違ェよ。」

「じゃあなんで時雨にあんなモン付けるんでィ!」

「総悟…あれは姿がお前の記憶にある久遠だが今のあいつは犯罪者に加担する籠狗夜だ。」

「前みたいに記憶が戻るかもしれねぇだろ!」

「総悟…少し頭を冷やしてこい。」


踵を返し来た道を戻ろうとする土方に問いかけた。

「逃げるんですかィ?土方さん…。」

「逃げはしねェよ。逃げてんのはオメェのほうだ。」







「じ、じゃあ…浅葱は……」

土方はとんだ失態を犯した。

浅葱は籠狗夜ではなかったのだから。


急いで浅葱のいる牢へ向かった。



鉄格子の向こうで始めと変わらずじっと浅葱は座っていた。

「話します…私が何者なのか…全てを……」

土方は片眉を上げた。

「思い出したんです…やっと、あなた達に協力することができる…。」

俯いていた顔をあげた時雨の目には薄っすら涙が浮かんでいる。

「お願い…助けて。」

悲痛に満ちたその面を見てもう疑うことができなかった。


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