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消失少女
罪を重ねるかぐや 1





「私は……久遠時雨さんのクローンです。」

「クローン…だと?」

「はい…時雨さんのコピーです。」

「じゃ、じゃあ…本物は?本物の時雨はどこなんでさァ!」


今にも浅葱を掴みかかろうと総悟を近藤が制した。



浅葱は伏し目がちに答えた。


「それは…私にもはっきりとは…わからないんです。」

「心当たりとかはないのかい?なんでも良いんだ。」

近藤は焦りながらも平然を保ちながら浅葱に優しくきいた。

「多分ですが、攘夷浪士のアジトにある実験室に……

グサッ


全員の息を呑む音が聞こえた。

「うっ…!」

その時、鋭く鈍く光った刀が浅葱の背を貫いた。肉を裂くような音と倒れる音と共に鉄の匂いが広がった。


「「「浅葱!!」」」

「…教えない。そこまでよ、浅葱。」

「籠狗夜…テメェ!!」

「か、籠狗夜……。どぉして…!」


浅葱は傷の痛みに耐え籠狗夜に向かって叫んだ。しかし、籠狗夜は冷たい目で浅葱を見下ろした。


「お前の役目は終わったと御上から御言葉があったのよ…。浅葱、時間稼ぎご苦労様。」

「時間稼ぎ?どういう事だ。」

「………。」

籠狗夜はそれ以上は言わずに塀を蹴り屯所から去っていった。


「待ちやがれ!!」

ぎゅっ…

浅葱は今にも立ち上がり籠狗夜を追っていこうとする沖田の制服を力の限り握った。


「ッ……浅葱…?」

「お願い…籠狗夜を、助け、て……。」

「おい、それ以上喋るな…傷が……。」

「どうせ…コピーの身…で…す……。
どう、か…籠、狗…夜を…救っ……て、くだ…さい…」

「おい…目ェあけろ。くたばんじゃねェ!」

「ザキ!救急車だ!すぐに呼べ!!」

近藤さんは大声で山崎に救急車の手配を頼んだ。

「浅葱!おい!!」

唯一の手かがりが今また消えてしまうのではないかと焦り1分1秒がとても遅く感じた。





自分を始末しようとした籠狗夜を憎まず『救って欲しい』と言った浅葱を正直理解し難かった。

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あきゅろす。
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