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消失少女
いざ参る




コツコツコツ……


2つ分の足音だけが響く廊下。他に人が居る気配がなかった。


『騒がしかったのは浪士と隊士が斬り合いをしている一階だけだったね。出払っているのかな。』


二人だけとなり時雨は敬語を外して話し始めた。


「だいぶ倒したしあと1時間で終わるだろィ。」

『そうね!』


時雨は満面の笑みを浮かべ沖田の方を向いた。

この時、沖田は赤くなっているであろう顔を時雨から背けたが。


「そう言えば屯所に返ってから伝え……?」

『どうしたの?』

「静かにしろィ。」

『……?』


暗い廊下の先にある部屋からボソボソと
小さい声がした。


「どうする!?このままだと全滅するぞ。」

「ハッ…。ここには8つも爆弾を仕込んで
ある。もしもの為にと思って用意していたが
幕府の犬どもはそれに気づかず見事に引っかかったみたいだな。」

「そうか。さすがだな鷹虎。」

「フッ…少なくとも我々がやられることは
あるまい。後はこの階を爆破させ、先に行けぬようにするのだ。」


会議室として使われていたのだろうか。沖田と時雨が気配を消して部屋を覗くと数人の浪士がいた。


『爆弾…そんな情報聞いてないわ。』

「きっと観察方のミスだろィ…。さっさと片付けるぜィ。」

『了解。』


沖田と時雨はそれぞれ隠れられる場所を見つけ身を潜めた。


「…では、福竜丸様の元へ行こう。犬どもが建物で潰れるのを高みの見物しようじゃないか。」

「ハハハハハ!」


そこで物陰から沖田が時雨に合図を送り同時に刀を構え浪士の前へと出る。


「おっと、そうはいかねェぜ。俺達の休日を潰された分の落とし前つけてやらァ。」

『大人しく、お縄についてください。
手荒なことはしたくないので。』

「ハッ、手荒なことか。そいつは俺らも
そうだ。コイツを爆破させたくない。」


パキンッ……


「コイツってのはそのプラスチックの塊ですかィ?」

「なっ!」


沖田は浪士が出したリモコンをすぐさま破壊し、押せない状態にした。


「掛かれ!二人だけだ直ぐに始末してくれるわ。」

『隊長。私はあの5人をやります。』

「じゃあ俺はアレをやりまさぁ」


応援を呼んだのか先程より人数が増えていた


「 行くぜィ…。」

『はいっ!』


そして2人の隊士は10人程の浪士を前に
お互い背中を預け戦った。





と敵に向かうるは2人の少年少女。



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あきゅろす。
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