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消失少女
月へ誘うは 秘話 3と4話の間





ああああああ!!!


痛い。

全身がビリビリ痛い。

関節がミシミシ悲鳴をあげている。


「はぁはぁはぁ…。」


ガラス越しに立っている研究者を睨む。

それが私が唯一出来る抵抗、だから。



「…で、ーーがとなり……したら…ーーな、とーーる…」


白衣を着た奴らが毎回私を囲んで監視したり何かを話したりする。




ガシャン


さっきまで私の周りを囲っていたガラスの壁は無くなりカルテやら点滴やらを持った複数の研究員が集まってきた。


「ゼェ、ゼェ……。」

「苦しいか?苦しいよなァ〜…クククッ……。」

「……そう思ってるなら…すぐやめてもらいたいんだけど…この変態が……!」

ドガッ

「ッッ…!」

「口は達者だなぁ…。」

「ウッ、ゲホッ!カハッ!!」

「仕上げはこれだ。」

「まだ早いんじゃないか?」

「いやこれ以上やっても変わらんだろう。」


意識が朦朧としている中聞こえる声。

体に鞭を打ち起き上がると。

注射器を持った白衣の男が不気味な笑みを浮かべ立っていた。


「これで成功すれば…我々の株も名も上がる。」


なに……?


「ふふふ…さぁモルモット動くなよぉ…。」


メガネをかけ下品な笑い方をする男がゆったり歩み寄ってきた。

気色悪い紫の液体が入った注射器を携えて。


「体温、血圧 共に上昇していますが全て想定内です。」

「この様子だと64.3%の確率で成功する。」



いや…嫌だ。


『 …ぃや……来ないで……!』

「 さっさと “記憶” とおさらばしちゃいなァ…!」


ブスッ


『 い…イヤァァァアア!!』




消えて行く…


何もかもが…



「おい!久遠、総悟!俺のマヨネーズ何処やった!」


「時雨いつもありがとうな!」


「時雨後は頼むぜィ。俺はちょっくら昼寝に行って来やす。」


「時雨ちゃん。今日こそ俺とバトミントン勝てるかな?」


「時雨!一緒に遊ぶアル!!」


「時雨さん、お通ちゃんの新曲聞きますか?」


「時雨ちゃん、約束のお菓子は作ってきてくれた?」





嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!


まだあの人に伝えてないの!!


お願いだから!



消えないで…!!




貴女の記憶



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あきゅろす。
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