消失少女
3年という年月
雪が深々と降る12月。
街中がクリスマスで浮き足立つこの日、
1人の隊士は墓地に御供物をあげていた。
「……総悟。お前ここにいたのか…。」
肩に雪を積もらせた少年もとい一番隊隊長
沖田総悟。彼は大分墓の側にいたのか頬が赤くなっていた。
「近藤さん…。」
「いつまでもいたら風邪ひくぞ。最近のは
しつこいからな…。」
「……丁度今日で3年なんでさァ…。」
「そうだったな…。」
「まだ諦められないんでさァ…遺体が見つからないなんて…またどこかでドジこいてそうで…。」
「気持ちはわかるが総悟。あまり落ち込んでいたら時雨もやりきれない。」
「それはわかってまさァ。でも…」
「3年…経っているんだ……連絡がないって事はもう…。」
近藤はその日の事を思い出すように曇った空を見上げ涙を堪えた。
それがわかった沖田は俯いた。
「もう行きやす。このあと土方さんに呼ばれているでさァ。」
「ああ。車で来たから俺のパトカーに乗れ。」
「助かりやす、近藤さん。」
それからは何を思ったのか、もう一度空を見上げ二人の男は墓から立ち去った。
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