「もう一度聞く。てめぇどこの回し者だ」
「回し者などではない!私の名前は和歌、死神だ」
「…お前頭大丈夫か?」
突如部屋に現れた不思議な少女はどうやら頭がイッているらしい。それもかなり。
このナリで死神、か。
絶対有り得ねぇ。…いや、絶対認めねぇぞ俺は。
「お前の方が頭大丈夫か!?全く、何度言ったら分かってくれるのだ」
「ハッ、お前のどの辺が死神なんだよ。証拠も無いくせによく言うぜ」
「しょ、証拠ならあるぞ!そこの押し入れに鎌を置いてある」
「なんで押し入れなんかに鎌があるんだ」
「高杉を見張ろうと数日前からあの押し入れで寝泊まりしてるんだ」
「BLEACHか」
「うわっ、高杉がツッコミした!」
死神に押し入れ、もう話しがBLEACHじゃねぇか。
しかしこいつのリアクションむかつくな。一発ゲンコツでもお見舞いしとくか。
「それで?お前は俺に死神代行でもやれと言いに来た訳か」
「高杉、見かけによらずメルヘンな奴だな。悪いがその逆だ、お前は時期死ぬ」
「…ハァ?」
「だから死神の私がこうして高杉の元に居ると言っておるのに何故信じてくれんのだ」
両眉を吊り上げ、信じろと言わんばかりに睨んでくる少女に、込み上げる笑いを噛み殺すことが出来ず俺はクツクツと喉を鳴らし笑った。
俺が死ぬだと?ハハ、これは傑作だ。こんなつまらない冗談で笑ったのは久方ぶりだぜ。笑いが止まらねぇ。
今だにしかめっ面でこちらを睨む和歌は、俺とは反対にどんどん不機嫌になる。そんな姿さえ面白くなりさらに笑い続けていると、和歌はふぐのように頬を膨らませ、わざとらしくドスンドスンと音を立てながら立ち上がり偉そうに仁王立ちをしながら口を開いた。
「もう怒ったぞ、高杉なんか知らん!出て行け!」
「知らなくて結構。つか出て行くのはお前の方だろうが」
「分かった、私が出ていってやる。でもこれだけ言わせてくれ。絶対殺しに来るからなチビ助!覚悟しておれ!」
「おいテメェ待ちやがれ。今なんつった、あァ!?」
「チビチビチビ助〜!
ってゲンコツ痛あああああ…!!お前年下相手になにムキになっておるのだトリャアアアア!!」
「……ッ痛!
てめぇやりやがったな。そんなに俺を殺したけりゃ何処からでもかかってこい」
「臨むところだ!死神の奥義を篤とみよ!」
死神、喧嘩する
END
20100319
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