[携帯モード] [URL送信]

2月14日の早朝にメッセージカード付赤い薔薇の花束が届きました。


『愛をこめて』


「おや、アイヌ(仮)。綺麗ですねー。どなたからですか?」

「…わかんない」


差出人の名前はない。
カードにもない。

薔薇の本数は11本。



「はやく活けてあげましょう。ね?」

その言葉に、私はボーッと薔薇を受け取ったまま止まっていたことに気付く。

あわてて日本に手伝ってもらって花瓶にさした。
(ほとんど日本がやったようなものだけど)






おーい!邪魔するぜ」

イギリスがやってきました。

「いらっしゃいませ。こんなに朝早くどうしたんですか?イギリスさん」

まだ朝の7時半です。

「おはようございますイギリスさん。朝早くからわざわざ遠路遥々、日本まで手ぶらで何しに来たんですか?」
「オマエは朝イチに来たのが不満なのか?それとも土産が無いことに不満なのか??」

別にー。

「それでいったいどうなさったんですか」

日本ったら☆
こんな朝早く来る人にまで気を使わなくていいのに。

「べべつに今日がバレンタインだだだから来たんじゃないぞ!?ももしかしたらアイヌ(仮)がチョコくれるかも!って1日待つつもりだったりはしてないぞ!!アイヌ(仮)
チョコくれ!


…1日黙って待ってるんじゃないのかよ。
ねー日ほ…?

…キュン☆!
「イギリスさん…」

あれ?日本?日本!?
なに!ときめいてるの!?
違うでしょ!?ここはドン引きするところでしょ???

「…ツ・ン・デ・レ…☆」

日本ーーー!?

「さ!アイヌ(仮)。イギリスさんにチョコあげてください」

イギリスはさっきの大声で、感極まって涙目でしなだれてるし日本はこれだし。

…誰も頼れない!

「イギリスさん。来るなら来るって連絡ください。突然来たってチョコはありません」

「おや?たしか冷蔵庫にチョコケーキがありましたが」

あれは日本の分です!

「…そうですか。困りましたねぇ」

チラリと横目でイギリスを見る。

「だいたい!連絡もなしに来る方が悪いです!…来ないと思ってたし。
もしかしたら航空便で郵送したかも知れないのよ!?それで来たから、また追加で贈らないといけないの!?」

送ってくれたのか!?

とたんに元気になるイギリス。

「送ってないよ」
たとえばの話だし。

「そ、そうだよ…なぁ…」
はは。

「…アイヌ(仮)。」

に日本?怒っちゃやーよ!?

「イギリスさん。私(がもらう予定)のチョコケーキ、一緒に食べましょう?」

「日本…」

「えーあれは日本のだっていったじゃ…」

さすがに悪かったと、日本に睨まれ、
私の顔色を伺うようにこっちを見るイギリスには最後まで言えなかった。

「それが嫌ならこれからチョコを買ってきなさい」

まだ店、開いて…ない。
でも。

「…わかりました」

今の日本には逆らえません。

「イギリスさん。私たちはそれまでアイヌ(仮)の手作りチョコケーキを食べて待ってましょうか」

ヒド!

気をとりなおして買いに行ってきますか。

「じゃあ、出掛けてきます。

あ、イギリスさん。 言いたくはないけど薔薇の花束ありがとう。11本なのが気に入ったよ」

「ああ。あの薔薇はイギリスさんでしたか。ありがとうございます。床の間に飾ってありますよ。
こら!アイヌ(仮)、貰っておいてその態度はなんですか!もう!!」
あれ?でも差出人不明だといってませんでしたか。

パァ…っとイギリスの顔が明るくなる。

ビンゴか。

「ではイギリスさん。花束のお礼ではないですが買い物に付き添ってはいかがですか?
どんなに大きいものでも好きなチョコでも買ってもらってください」
ですね?アイヌ(仮)。









「1本よりは良かったな」
「…次は99本を贈るよ!」


薔薇の花
     1本で→あなただけを。
     11本で→とても大切です。
     99本で→永遠に愛してます。







100902
別にバレンタインネタじゃなくてもいい。
あ、薔薇の本数は超意訳です。
科白が多くて誰の言葉かわかるかしら。


[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!