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愛ノカタチ ハオアン/シリ









どうしてこんなにも
運命が違ったんだろう。












僕はこの運命に満足してない
訳じゃない。












けど何かが足りない。












力とかじゃなく
決定的な何かが…














*愛ノカタチ*

僕が麻倉を捨ててから
もう千年。
あれからの麻倉は興味が湧かなくて
情報も拾ってなかった。

―そのはずだったんだけど
弟の葉に許嫁が出来たと
聞いてからちょこちょこ
情報を聞くようになった。

なんでもあの葉に許嫁だ。
しかもとてつもない鬼嫁らしい。
興味が湧かない訳がない。

「一体どんな女かな?」

僕はフフフ…と笑って
空の旅を楽しんだ。


「ん?」

しばらく飛んでいると
ちょうど麻倉の近くに来た。
少し気になり、下を見てみると
葉が買い物袋を手に持って
歩いているのが見えた。

「少し、降りて見ようか。」

僕がSOFに呟くと
下降していった。


「あー。だりぃなー。
アンナの奴本当人使いあらいぞ…」

葉の許嫁アンナって言うんだ…

僕は葉の声が届くくらいの
高さから葉を見ていた。

「ふーん。ちょっと覗いてこようか?」

僕はまたSOFに呟くと
麻倉の方に飛んだ。


「久しぶりだなあ…変わってない。」

僕はSOFから降りると
麻倉の門の前に立った。
すると
麻倉じゃない違う巫力を
感じて振り向いた。

「やあ。君がアンナかい?」

振り向くと短い金髪に整った顔
白い肌にはえる黒いワンピース
そして真っ赤のスカーフを
巻いている女が立っていた。

「そうよ。あんた誰?」

アンナはにっこり笑う僕と対照に
眉間にシワを寄せて
腕組みして仁王立ちで睨んでいた。

「僕?僕はね未来王ハオ。」

僕は警戒心丸出しのアンナに
近付いた。

「未来王?馬鹿げてるわ。
あんたなんか王になれないわよ。」

アンナは一歩も逃げずに
僕の目を見て睨み続けていた。

「何故だい?」

僕はアンナの目の前で
立ち止まった。

「そんなの決まってるわ。
うちの葉が王になるからよ。」

アンナは濁りのない
澄み切った目で言い切った。

「フッ…葉ね…。」

僕はアンナが葉の許嫁なのが
何故か分かる気がすると同時に
何だか葉が羨ましくなった。

僕はアンナの真横に立った。

「なによ。」

「葉がいなきゃ
君は僕の許嫁だったのにな。」

ザァ…

「!?」

僕はアンナの耳元で囁くと
SOFに乗って空に飛んだ。


うん。いい女だ。
この僕の霊視が効かないなんてね。
それに―

「呪縛返しされるとはね…」

僕は自分の頭から流れ出てる
血を手で触るとそれを舐めた。

「ますます欲しくなったよ。アンナ。」






















きっと足りないモノは















君かもしれないね。





end

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