約束は未知数(中学アカ南)
【約束は未知数】
麻雀の帰り、南郷さんがいきなり飯を奢るって言うから特に断る理由も無いオレはコクリと傾いた。
「アカギ、お前ちゃんと飯食ってんのか?」
「少なくとも南郷さんの食生活よりは規則正しいと思うけど」
「オレはイイんだよ。お前はほら、育ち盛りなんだから」
「ふふっ…」
「こら何笑ってんだ!オレは真面目にだな…」
「アンタってホント心配症…てか過保護。ねえ、それって金の為?」
「…そんなんじゃねえよ」
ぽんっと頭にのせられた南郷さんの手は大きくて安心できて、でも肉親、まるで自分の子供に向けるようなそれ。そんなのオレは要らない。
そんなじゃなくて…もっと…
手を頭の上から引きずり落として自分の手で握ってみた。
「…南郷さん」
「ん?」
そんな動作をしても、さも当たり前の様な返答。
「…オレの手で、南郷さんの手を覆い隠せるくらいになったらさ…オレのモノになって?」
南郷さんの手がピクリと動く。
そうそう、その反応…
「またワケの分かんねえ事…モノってお前どういう…」
ふと、自分を真っ直ぐ見据えるアカギの眼に気付く。アカギの揺るがない、強い眼孔…瞳の中には自分しか映っていない。
自分を求めてくるような、大人びた眼に釘付けになる。
「そのまんまの意味」
そう言って眼を細めると、自分より大きな手にキスを落とす。
「オレ本気だから。覚悟しといてよ」
酸欠の金魚みたいにぱくぱくと口を動かし動揺する大人に、フッと満足そうに笑うとアカギは先に歩き出した。
「奢ってくれるんでしょ?飯、早く行こうよ」
「あ…あぁ」
小走りで着いてきた大人に、一番高い料理を注文したりしたらどんな顔するかななんて考えた。
何年後かに逢ったその時は…
END
年下攻…アカギはどちらでもいける!この二人好きだ(´v`)
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