はっぴーぎゃんぶらー(佐カイ)
【はっぴーぎゃんぶらー】
「初詣行かないすか?カイジさん」
「え」
「はい!決定ーっ」
カイジが答える前に間髪入れずそう言うと、雑誌を並べていたカイジの腕をとる。
「あのなーオレまだバイト…」
「もうちょっとで終わるでしょ?ねっ」
ニコッと笑うその男は引かないだろうと思い、ハアと小さく溜め息をはいた。
「分かった」
1月1日になる20分程前に神社に着くと、人でごった返していた。
「やっぱ人多いすねー」
「佐原…毎年来てんのか?」
「いや面倒だし自分では来ないす」
「ぇ、じゃあなんで…」
「カイジさんとなら行きたいなあって思ったから」
「ッ!?」
ぎゅっと手を握られる感覚にビクッとすると同時に、じんわりと温かい体温を感じる。
「カイジさん冷え症?すげえ冷たいよ手」
「お前の手の温度が高かいだ…てか何で手握ってんだバカ!」
「あ、熱くなってきた」
「ちょっ」
顔を赤くしながら手をほどこうとする様を見ながら可愛いいなんて考える。
「佐原あ、見られ…」
周りの目を気にしてか、少し挙動不審になっている様も可愛いいなとニヤケそうになる自分は末期だと佐原は思う。
.
「じゃあオレとギャンブルしてくれたら離しますよ」
「ギャンブル?」
「おみくじ引いて、結果が良かった方が一つ何でも命令できるってやつっす。同じだったらもう一回!」
「…面倒臭い」
おみくじの列に並びながら、嫌な予感がカイジによぎる。(負けらんねえ気がする)くじを引いて人ごみから抜け、一旦神社の外に出る。
「カイジさんどうだった?」
「中吉。佐原は?」
「大吉!」
嬉しそうにみくじの紙を見せ付けてくる。嫌な予感は的中した。
(なんなんだあの強運は…)
「で、何やれば良いんだ?」
「オレと一緒のマフラーしてvカイジさん」
「!?ッ」
逃げようとしたカイジを捕まえ、ぐるぐると自分のマフラーを巻き付けていく。
「ちょッ止め!苦しいって佐原!!!」
顔を真っ赤にさせて恥じるカイジに構わず、体を密着させる。
「あったかいっすねv」
「そりゃ…」
あったかいな…
外気に白い息をはきながら佐原の体温を心地いいと感じた。
一方佐原は大人しくなったカイジにぎゅっと抱きつく。
「わッ」
「オレ何お願いしたと思う?」
「なに…」
「カイジさんとずっと一緒にいられますようにって」
「佐原?」
「オレ、カイジさんのことずっとスキだった」
佐原の息がかかるほど近い距離で、その真面目な声色にドキリとする。
(ずりいよ佐原、そんな風に言われたら…)
「カイジさんはオレのことスキ?」
「…どっちかというと」
「ハッキリしてよカイジさん」
「スキ…あっ」
「やりっ!」
ニヤリと笑うと、更に強く抱きしめる。
「ずりい…」
そう言いながらマフラーに、顔を埋めて隠すカイジを、恋しそうに見ると、ふと思った。
(摩り替え用に前に引いた大吉もってきてたけど今日引くなんてな)
「ラッキー。幸せ過ぎる…」
良い年になりそうだと、鳴り響く鐘の淡い音を聴きながらこれからの日々をわくわくと想った。
END
正月早々贈りつけた佐カイ〃
書き馴れない感バリバリです(><)とりあえず告白しちゃいました(笑)
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