[携帯モード] [URL送信]

たまごなおはなし
結婚物語  その四
先輩は、奥さんとの馴れ初めをちょっとテレながら話してくれた。

俺はな、今度生まれ変わっても、嫁さんと絶対出会いたいし、結婚したい。また巡り合えた時にはさ、嫁さんに言わせるんじゃなくて、俺がプロポーズしたいんだ。だってな、俺、今凄く幸せなんだ。きっと死ぬその時がきても、ああ、こいつと結婚してよかったなって言えるよ。そのくらい幸せなんだ。

「今日は気分のいい酒が呑めたよ。お前のお陰かな。」
「何言ってんすか。俺の方こそ美味しい酒が呑めたっす。」

別れ際、先輩が、
「な、結婚ってさ、墓場って言う人もいるけどな、ある意味間違ってないんだよ。だってな、墓場まで一緒に居たいからって言う思いも含んでるって俺は思うんだ。」
「そっすね。先輩たち夫婦の話しを聞いて、俺もそう思うっす。」
「でもな、安易に結婚はするな。俺みたいに失敗するぞー。」
「もう、何言ってるんすか!」
先輩は笑いながらタクシーに乗って帰って行った。

俺は、結婚っていいかもしれないな。なんて思い始めて、急に彼女に会いたくなった。そして彼女との今までを思い出したら、やっぱり出会えた奇跡に感謝したくなったし、きっと結婚する相手はアイツだろうななんて踏ん切りがついたような気持ちになって、くすって笑えてきた。
だって、もう随分前から思ってたから。アイツが待ってる家に帰ったら、仕事で嫌なことがあってもそのことは置いといてほっとできるだろうな。って思ってたから。俺、ちゃんと分かってたから。




2008/12/2 作

最後までお読みいただきありがとうでした。

結婚、色んな人に色んな物語が生まれます。
それが、全て幸せではないでしょうけれど、男も女も、それぞれが想う結婚が、同じ色で染まりますように。

[前へ][次へ]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!