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たまごなおはなし
『ガリレオン』 -答えに辿り着く!- 5
次の一週間で、僕たち部員は昼休みも学校の図書室に集合して、放課後は地域の図書館に集合して、ひたすら話し合ったんだ。
「物忘れ」とは、僕らが言う意味とは違う意味もあるということが分かってきた。例えば、健忘症という病気があること。それは、年齢が進むにつれて脳が衰えていくことで、ボケと言うことになるのだそうだ。
けれど、僕らが言う「物忘れ」とは、そういう病気の話しではなくて、後で思い出したりすることがある一瞬の記憶を失うってことだ。

「な、ガリレオン、お前はどう思うんだよ。」
「うん、色々調べてみて思うんだけど、答えは初めから出てた「記憶喪失」に間違いないだろう。いや、記憶喪失という言葉に当てはめても問題ないということだ。」
みんなは何も言わないが、きっと同じことを見つけていたに違いない。

いよいよクラブ活動の日。職員会議で少し遅れてきた先生は、待ち構えていた僕たちを見て、
「お、その顔は、答えを見つけたか!」
「はい。私達はみな同じ答えに辿り着きました。」
「そっか、そっか、福山の自信ありげな言葉に先生わくわくしてきたぞ!」

二週間を掛けて調べたことに自分達の意見を織り交ぜて発表してみせた。
「で、物忘れには色々あること、それが病気ではないとしたら、どういうことなのかと話し合いました。そして、昨日、意見がまとまり、初めにうっちーが言ったように、これは一種の記憶喪失という答えになりました。」
「本当にみんな同じ意見なのか?」
「はい。」
6人の声が揃って、何故か先生が笑っている。
「俺さ、教師やってて良かったよ。このクラブ作って良かったよ。ホント言うとさ、参加希望者の名前みた時はさ、大丈夫か?って思ったんだけど、なんだ、お前らって凄いじゃん。こんなにまとまりがあって。俺、感動したよ。」
僕たちも初めてのクラブの日には、お互いの顔を見て、心の中で、このメンバーでやっていけるのか?と、不安もあったし心配したんだけどね。同じものに向って答えを探すという作業をしているうちに、近づいたんだ。仲間っていう答えに。
ちょっとすかした顔だった福山も、お調子者のミッキーだって、声を聴いたことがなかったうっちー、張り切りやのヒガシ、テンションだけはいつも高い柴崎、そして、大人びた上から目線の僕ガリレオン。みんな同じ小学生で、調べることが大好きな子供って言う答えを見つけた。
こんな風に、答えを導き出せるとは思ってもみなかったが、僕が思った通りに面白い答えになった。いやぁ、実に有意義で、素晴らしい二週間を過ごせたよ。

先生が立ち上げた「答えを探そうクラブ」の部活動は、此処からが本当の始まりで、この6人で土台を造れた。それが次の答えの謎にせまる力になることを、ちゃんと探し当ててるんだけどね。もう、言わなくても解かってるよな。
クラブの話しはこれで最後だが、次回の謎も面白そうだから、どうだね?僕たちと一緒に答えを探してみないか?次回の謎は、「カミナリ」だ!さ、一緒に答えを探そう。


コメント: 「ガリレオン」はこれにて終了です。お読みいただいた皆様、ありがとうございました。
全5話の予定で書いたので、かなり詳細をぶっ飛ばしましたが、それも読者さまの想像を膨らませる材料になればと思ってますので、お好きな想像を!(笑)

一風変わったお話で始めましたが、終わりは「たまご風味」で、ほのぼのと締めています。だって、私らしく書いたらこんな風になってしまうんだもーん。

では、いつかまたお会いしましょう。Byガリレオン


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