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たまごなおはなし
『ガリレオン』 -記憶喪失- 4
「物忘れ」が、うっちー(内海)が言った記憶喪失だという意見は実に興味深い。そう僕らは思ったから、一週間後のクラブ活動までには、ある程度の調べ物をしなければなくなった。
まずは放課後、町内の図書館で「記憶」ということについて調べた。

記憶とは、人間で例えるならば、過去に経験したことを脳にインプットさせるということで、見たこともない、経験したこともない空想や想像とは違う、自分の過去であるということが分かった。
しかし、自分が経験していなくとも、人から聞いた話しをあたかも自分が経験したことのように間違って記憶することもあり、混乱してしまうこともあるのだ。脳もミスを犯すのだ。神ではないという証拠にもなりえる。

さて、次は「喪失」について考えてみよう。
簡単に言えば「失くしてしまうこと」だから、記憶と喪失を合体させれば「記憶喪失」という言葉になって、「記憶を失くす」と言う意味になる。当たり前な答えだな。だが、ここからが面白いんだ。
「物忘れ」が記憶を失くした。という現象だと解明していくんだからな。答えを探し当てれそうな気がするから面白くなってきた。

一週間後の6時間目のクラブ活動が始まった。
「よ、みんな調べたか?学者バリの答えを聞けそうかな?」
顧問のくせに、生徒を放置でお任せクラブ活動か。ま、それの方がいいんだけどな。
「品川先生、みんなで図書館に通って、色々調べてきたんですが・・・・」
「ん?どうした?福山。」
「それがねぇ、なんていうか、答えにさぁ。」
ヒガシが口を挟んだが、これで何がいいたいのかピンボケな品川先生でも分かるだろう。
「何だ何だ?答えがどーした?」
ダメだ。ヒガシの言葉と、福山の切り出し方で大体想像がつきそうなのに、なんてズレた顧問なんだ。

「時間が足らないんだよ。答えに辿り着くまでの。分かる先生?」
呆れた顔をして柴崎が溜め息交じりに言う。
「ああ、そういうことか。もう、みんなもちゃんと言えよな。柴崎がガツんと言ってくれたから分かったけどさぁ、俺、生徒を理解できてない教師みたいじゃん。」
・・・品川先生、あなたって人は、自分を解かってませんね。
「あの、あの、先生、でも、でもね、ちょっとは解かりかけてるんです。」
内海の言葉に、品川先生の目が一瞬輝いて、内海の言葉の続きを待っている。
「先生、来週のクラブまでにはさ、答えを見つけるよ。」
ミッキーは殆ど何もしていないくせに、何故か堂々とした態度で言うけれど、解かりかけているこの、答えが見つかりそうな時が一番答えに遠いこともあるんだと、僕は思ったんだが、言わないでおこう。謎解きは簡単じゃつまらない。そうだろ?
僕たちは、きっと答えに辿り着く。そして、この問題の答えを探せると僕は確信している。何故なら・・・・・



コメント: 物忘れって、記憶喪失だと、そう思いませんか? 母ちゃんは良く記憶喪失になります。
それは、ボケかも? という突っ込みは遠慮いたしますわぁぁ。 
では、次回で最終回でございます。  さて、どんな結果になるでしょうか?


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