テニスの王子様
お母さんな参謀
しばらくして、テニス部の練習が再開した。
私は桜に聞きながらマネ業を手伝う。
洗濯ひとつにしても大変だ。
時間はかかるし、量もそこそこある。
桜はいつもこんなことをしていたのかと思うと頭が下がる。
「桜〜、こっち終わったから干してくるね〜!!」
「あ、ありがと〜!」
テニス部部室の裏手に干し竿があるってことなので、そこまでせっせと洗濯物を運ぶ。
そこで少々唖然とした。
「…高…っ。」
私の身長は150pです。
いや、小学生の頃はそこそこ後ろだったのよ。
でも、私の成長期はそこで終わったらしい…。一向に伸びない身長。せめてもう5p欲しい…。だって下手したら140台……!!
いやいやいや!
私はちびっこじゃない!!
だから!
この物干し竿だって届くんだ!(汗)
……多分。
「…っ、んしょ。」
何とかかんとかタオルを干していく。パラソルの分は結構楽に干せた。
だけどパラソルの数が足りないから残りは竿に掛けないとならない。
目一杯背伸びして干していく。(ちょっと悲しい)
残り10枚くらいのところで問題にぶち当たった。
ほら、物干し竿ってさ、重ならない様に高さがバラバラじゃない?
今までは低めの竿に干したんだけど…。
はい!スペースなくなったよ〜!あとは高い竿しかないよ!
……どうしよう…。
ちらっと周りを見渡す。誰も助けてくれそうな人はいませんね?
私はぴょん、と跳ねながら高い竿にタオルを引っ掛けた。タオルさえ引っ掛かれば垂れ下がる部分を引っ張ればいい。
…ちょっといびつだけど…。
そうして5枚引っ掛けた時だった。
「竿の長さがタオル2枚分足りない。」
物静かな声が背後から聞こえた。
ジャンプしてたのにタオルを引っ掛け損ねた。
振り返ると達人(マスター)ことデータマン・柳蓮二がノート片手に立っていた。
私は思い切り顔をしかめた。
「何だ、その顔は。」
「何でもないです。それより先輩、部活しなくていいんですか?」
「今は休憩中だ。」
そうですか。でもって一体何の用だ?
不審がる私を見て、データマンはふっ、と微笑んだ。
軟らかい空気が流れる。
何だ、こんな顔も出来るのか。
いつも見えてるんだか見えてないんだかわからない糸目のデータマンの微笑を見られて少し得した気分だ。
「貸してみろ。」
少しぼんやり考えていた私の傍でデータマンの声がした。
「え…。」
データマンは私の了承なく残っていたタオルを掴みささっと干してしまった。
しかも綺麗だ…。
「ありがとうございます…。」
「これくらい気にするな。ただ、次からは椅子でも使うんだな。皺は伸びているが折り目が合わないだろう。」
……………。
お母さんだ…!!
洗濯物の干し方、たたみ方をこと細かに指図するお母さん…。
私は少し柳先輩の見方が変わった。
「あれ?そういえば、全部干せましたね?」
「お前の干し方だとスペースが足りないと言うことだ。」
「…先輩、節約上手ですね…。」
やっぱり柳先輩はお母さん決定。
______________ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
あとがき
はい!どもっ!
はねうさぎです(*^∇^*)
柳さんでした☆
私は柳さんは立海のお母さん的存在だと思うんですよね(^_^;)ちなみに父親は真田さんです(笑)
落ち着いてるけど怒る時は静かに怒る…みたいな。
さて、残すところ2名です(≧▽≦)/
魔王様は別格なので後程…(^-^;
ではでは、次回はペテン師さんですo(^-^)o
2008*9*9
2009*4*9修正
2011.01.27修正
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