テニスの王子様
フェロモン垂れ流しの詐欺師
洗濯物を干し終わり、私は桜のいるコートへ向かった。
「それにしても…、柳先輩、ノートの角は凶器ですよ…。」
私の“お母さん”発言に腹を立てたのか、柳先輩は表情を崩さず無言でノートの角を私の頭頂部へ直撃させた…。
私、仮にも女子なんですけど…。無表情怖かったよぅ…!!
頭を擦りながら私はコートへの道のりをのらりくらりと歩いた。
曲がり角に差し掛かった時、目の前が芥子色になった。
「ふえっ?ぶっ!」
避(よ)ける隙(ひま)もなくそれと衝突した。
「…痛…ぁ…。」
「お前さん、大丈夫か?」
上から降ってきたのは色気のある声だった。
銀髪のちょろ毛。
口元の黒子。
そして…。
「ピヨ!」
不可解な言語。
間違いない。
コート上の詐欺(ペテン)師・仁王雅治だ。
「ダイジョウブアルヨ。ドコモケガナイネ。アナタサッサトイクヨロシ。」
似非(えせ)中国人に成りすまして私はUターンした。
私の本能が告げている。
こいつは超・危険人物だ!!!
…と。
「待ちんしゃい。」
がしっと掴まれたのは私の頭。
さっき柳先輩にクリーンヒットされたところが若干痛い!!
「痛っ!」
「おう、すまんの。」
口では謝ってるけど目が笑ってる。
ちょっとイラッとした。
しかも頭掴まれたままだし!!
何か?
私がチビだと言いたいのかあああぁぁぁ?!!
詐欺師殺す☆
「も、ホント止めて下さい。背が低いの気にしてるんです。」
私は泣く泣く懇願(こんがん)した。
詐欺師はふっ、とニヒルな笑みを浮かべ、私の頭から手を離した。
無駄に整った顔でその笑みは反則です。
悔しいけど………一瞬見惚れちゃったじゃないか!
………不覚…!
大体、何なんだあの色気は!
フェロモン出し過ぎ!
だから馬鹿な女が勘違いして寄ってきて、こいつらの傍にいる桜が被害を受けるんだ!
若干睨みを効かせたが詐欺師は飄々としている。何を考えているのか皆目見当もつかない。…“曲者”と呼ぶのが妥当な気がする。
「あの、私コートに行きたいんですけど…。」
「まぁ、そう急ぎなさんな。」
ぞわぞわっ!
頭の中でサイレンが鳴ってる。こいつは危険人物決定。
やっぱり色男は要注意だ!!
「桜を手伝うんです。失礼します!」
私はペコン、とひとつ会釈をして猛ダッシュでコートまでの道を走り抜けた。
「面白い奴じゃのう…。」
鳥肌が立ったのは気のせい…だよね…?
______________ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
あとがき
仁王さんでした!
…う〜ん、短い…(-_-;)
仁王さん好きなんだけどなぁ…。
どう絡ませればいいかよくわかってないせいですけどね(^-^;)
駄文で失礼しました(>_<)
最後はブン太さんです☆
やっと皆と接触できる…!
2008*9*10
2009*4*9修正
2011.01.27修正
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