テニスの王子様
一度目の優しさ
各校に1人無いし2人のサポーターをつけられ、合宿の練習は開始した。
とりあえず、マネ業なんてほとんどやったことの無い私は桜と一緒に手伝うことになった。
「香澄、ごめんね。」
「なんで桜が謝るの?」
「だって、私が料理作れないの隠すのにあんなこと言ったんでしょ?」
「あぁ、何とも思って無いよ?桜にマネ業優先してもらいたいのは本当だし、桜がご飯作らないの変に勘繰られるのも嫌だし、男共に桜を近寄らせたくないから牽制したし、全部本当のこと。だから桜は気にしないで?」
「うん。ありがとう、香澄…。」
「でも、帰ったら練習しようね。私教えるし。」
「あはは、頑張る。」
そんな会話をしながら桜と私は今日担当する不動峰のいるコートへ向かった。
「こんにちは、本日担当の春日です。よろしくお願いします。」
「あぁ、待ってたよ。部長の橘だ。よろしく。」
わぉ。
大仏様だ。
慈愛に満ちてる気がする。
「秋山です。あの、橘先輩って橘杏先輩の…?」
「あぁ、杏は俺の妹だ。普段は部員なんだが今回は手伝い要員で来てもらったんだ。」
下の兄弟って大抵上に使われるんだよね。
ま、私は一人っ子だから一般論しか解らないんだけど。
自己紹介を聴く限り嫌々って訳では無いけど。
「今日は立海のお二人っすね?俺2年の神尾アキラって言うんだ。よろしく。」
鬼○郎だ!
チャンチャンコ着たら似合う! (←酷)
「あそこでブツブツ言ってるのは伊武慎司って言うんだ。あのぼやきは無視してていいから。」
暗っ( ̄□ ̄;)!!
何か影も薄く無い?!
どんより人魂見えるみたいなんだけど!
(どう○つの森みたいな)
「よ、よろしくお願いします…。」
「ども、石田鉄です。」
……。
ここ、何か何か…。
仏教と妖怪が入り雑じってない?
黒基調のジャージもその要因?
でも仲良さそうだな。
少数精鋭って感じ。
関わってみれば皆親切だし、優しい。
セクハラとか中傷とかしないし。
冒頭で色々思ったこと全部撤回させて下さい。
「先輩方、あと5分です!」
今してるのは時間を測っている間のラリー回数を競っている。
私のする事は以前の立海での手伝いより格段に楽だ。
この不動峰。
基本は「自分のことは自分で」らしい。
私がやってるのは、測った時間を伝えているくらい。
ドリンク作ろうかと思ったけど既にストックがあるらしい。
う〜ん…。
私達のいる意味は何処に…。
あまりにも仕事が無いのでその辺に散らばったボールを拾い上げた。
結構年季の入ったボールはあちこち汚れていた。
野球のボールと違って汚れを綺麗に拭き取れる訳じゃ無し。
拾えるだけ拾ってボールをカゴに戻した。
ふと時計を見れば10時半を少し回ったところだった。
何か忘れているような…。
「…あ。」
「香澄どうしたの?」
「昼御飯だ。米だけ炊いて忘れてた。ごめん桜、私準備してくる。」
「ん、解った。行ってらっしゃい。」
桜に見送られて私は台所に向かった。
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2009*2*24
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