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テニスの王子様
悪魔と呼ばれるワカメ


「さて、と。桜、仕事何が残ってる?」

若干放心状態の桜に話を振った。

「え?あ…、そろそろ練習が終わるからドリンク持って行くよ。」

「ふーん。数足りてる?」

「あと半分くらい…。」

「オケ。味の好みなんてあるの?」

「ううん、皆濃さは一緒。」

「そか。じゃ、ちゃっちゃと作りますか!」


私は桜と並んで水飲み場でドリンクを作った。粉を溶くだけなんてお手軽でいいわ〜♪
黙々と作業を続けていると、桜が話しかけてきた。

「ね、香澄。」

「ん?なぁに?」

「さっき、庇ってくれて、ありがとね…。」

ちらっと桜を見ればちょっと頬を初めてはにかむように笑っていた。
あぁ、もう!可愛いな、桜は!

「いいの!あんな謂れのない罪を被る必要ないんだから。」

「でも、真田先輩の言うことも正しいよ。ちょっと、話し過ぎちゃったし…。」

こういうとこが桜らしい。
誰彼構わず“いい人”にしちゃうの。

「まぁ、私が悪かったし…、桜は気にしないで?次は怒られないように気をつけようね!」

「…っ、うんっ!」

満面の笑顔が眩しい。
この笑顔のためなら何でもしちゃう。


そして、作り終わったドリンクを籠に詰めて私達は再びコートへ向かった。





「たるんどる!」

あ、デジャヴ?
スッゴい短時間で聞き慣れた言葉だな、ヲイ。
次の瞬間。


バッチーーーンッ!!


ワオ。
スッゴいスナップの効いたビンタですね☆

私と桜の足元にそのおっさんのビンタの餌食になったと思われる男子生徒が“ズザザッ”と言う音とともに飛んできた。
人一人吹っ飛ばすおっさんビンタ…、恐るべし!
私、さっき打(ぶ)たれなくてよかった………!!

「きっ、切原先輩、大丈夫ですか?!」

桜は優しいなぁv
持っていたドリンクの籠を置いて、足元に転がる男子生徒に声をかけた。

…ん?
このモジャモジャワカメ頭…。

「春日〜!」

思い出した。
桜をこのむさ苦しい男子テニス部へ放り込んだ張本人・切原赤也!ここで遭ったが百年目!!
一発殴らにゃ気が済まない!


し か も !


何どさくさに紛れて桜に抱きついとるんじゃ、ワレ?!
うん。
一度三途の川のお花畑見せてあげようかな☆

「赤也!まだ話は終わっとらん!!」

「副部長〜!ちょ、マジ勘弁っスよ〜!!」

ワカメは桜の後ろに隠れるようにしている。
ワカメ、てめえ、桜を盾にするとはいい度胸だ。

私は桜の後ろにへばりついているワカメの脇をくすぐった。


「ぎゃあぁぁぁっ!」

奇声を発してワカメは桜から手を離した。
すかさず私は桜を立たせて私の後ろに回した。

「おまっ、何する…!!」

「軽々しく桜に触らないでくれますか?ワカメ先輩。」


「?!!」

ワカメは大きく目を見開いていた。
私はとびっきりの笑顔で言った。


「セクハラは犯罪なんだよ、このクソワカメ。」

「ワカメじゃねぇ!お前、潰すぞ?」

ワオ☆
何かワカメが怒ってますね!
心なしか目が充血してきた?目薬あったかな…?


「赤也!」


後ろでおっさんが叫んでる。しかも慌てる。


目の前のワカメは何だか尋常じゃない。殺人を犯しても不思議じゃないくらい殺気立ってる。
あれ?私、ピンチ?


「覚悟しな。」


冷たい声色に後ろにいる桜が小さく悲鳴を挙げていた。


ああ、こういうとこが“悪魔”たる所以なんだな、なんてぼんやり考えていた。
私、殴られるんだなぁ…。

私は、ワカメの右手が大きく振りかぶったのをじっと見ていた。





______________ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

あとがき


ども、はねうさぎです(≧▽≦)/

前回予告通り、切原赤也さんです。
バイオレンスちっくですみません(o_ _)o

でも、赤也はこれがないとなぁ…(^-^;

次回は誰にしようかな…。赤也を止める人。

2008*12*29 修正
2011.01.25修正

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あきゅろす。
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