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テニスの王子様
初対面


粗方片付け終わった新聞部部室にて、香澄はため息を吐(つ)いていた。

「(パソコン古すぎ。でもキャパは大きいから勿体無いし…。)」

よくこのパソコンで新聞を作っていたと香澄は感心していた。

そして、次の日から香澄は家で使っていたノートパソコンやその周辺機器を学校へ持ち込んだ。





「あの…、秋山さん?一体何を…?」

休み時間に来た周防は新聞部部室の中に無数に伸びるコード類や外付けハードディスクが置いてあることに驚いていた。
更に驚いたのが、香澄の格好。

「秋山さん、眼鏡だったんですか?」

「んぇ?あ、周防部長じゃないですか、こんにちは。」

香澄は今周防が来たことに気付いて挨拶を交わした。

「すみません、私熱中すると外界と遮断されちゃうんですよね(笑)…で、眼鏡でしたっけ?コレはパソコン用です。視力は悪く無いんですけど、パソコンのノイズとか特定の周波数とかを遮断するための偏光眼鏡なんです。眼疲れちゃうから。」

そう言いながら香澄はパソコンへ向き直りキーボードを叩く。
やがて予鈴が鳴り香澄は慌てて教室に向かった。





放課後、片付けを続行していた香澄は足を引っかけて積み上げていた新聞の束をばらまいた。

「(あ〜、この校内新聞の山邪魔くさいなぁ…。やっぱデータ化するかなぁ…?あ、それならいっそのこと学校のホムペとタイアップしても良いよね…。必要なヒトは新聞プリントアウトしていけば紙の無駄も省けるし…。うん、そうしよう!じゃあ…、とりあえず学校側の許可が要るよね…。)」

香澄は勢い良く部室を飛び出した。





行動が決まれば香澄は早い。
担任を通して新聞部の部紙をホームページへ上げるための申請書を得て、許可印を既に校長・顧問と捺印を済ませた。

「残るは生徒会長ね…。」

香澄は生徒会室へと足を運んだ。





ノックを4回した後、中から入るように勧められた。

「失礼します。」

会長席に座っているのは仏頂面で眉間に皺を寄せている男子生徒。

「…えと、生徒会長さん、ですよね?」

「そうだ。生徒会長の手塚国光だ。用件は手短に頼む。」

「は、はい。新聞部部員1年、秋山香澄です。学校のホームページに新聞部の部紙をリンクさせようと思いまして、その許可をいただきにきました。」

香澄は申請書を手塚の前に出した。

「許可は後でしておく。」

そう言いながら手塚は香澄の出した書類を横に追いやった。
すぐに許可印をもらえると思っていた香澄は唖然とした。
避(よ)けられた書類に目を通されるのは大分後になることは必至だ。
新聞部部室の山積み書類に勝るとも劣らないくらいの書類の山。
香澄としてはさっさと許可をもらって作業に打ち込みたかった訳で。
今のこの対応に不満があった。





一方、手塚は着々と右に山積みになっている書類を許可済・再考の2種類に分け、左の書類入れに入れていく。

「…生徒会長さん、お手伝いしていいですか?」

「何…?」

「眉間に皺。」

ぐり、と香澄は手塚の眉間に指を触れさせた。

「折角の男前が台無しですよ?」

にこやかに香澄は言うが、手塚の眉間の皺は更に深くなった。
余計なお世話だと言わんばかりだ。

「はい、左に捺印下さい(^^)右は再考の余地ありです。」

いつの間にか手塚の前に山積み書類が二山に分かれて置かれていた。
左にある書類は確かに許可印を出しても差し支え無い書類だった。
その一番上には香澄が提出した書類がきっちり置かれていた。
手塚は諦めたようにポク、と捺印をした。

「生徒会長さん、ありがとうございます。それじゃ、失礼します。」

香澄は晴れやかな表情をして生徒会室を後にした。





______________ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

あとがき

手塚部長と会いました(^^)
部長が目の前にある書類に没頭してる最中にヒロインちゃんは残りの書類を分けて、部長の眉間をつついて正面を見たときに書類を置く。
視界に入って無いので相手は急に書類が分かれたと思ってくれます(^^)

ネタバレ(笑)

2009*1*25

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あきゅろす。
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