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テニスの王子様
鬼の副部長サマ


「桜〜〜!!」

毎週水曜日はうちのカフェ「福寿草」の定休日♪

だから、今日こそ桜のマネ業手伝うんだ!
何故か今まで間が悪くて全然行けなかったんだよね…。

先生にプリントコピー頼まれたり、掃除当番や日直代わったり、調理部の臨時講師やったり…。

…何やってんの?私……。


「あ、香澄〜vvv来てくれたんだ。」

「うん!今日は何にもなかったからね!これ、差し入れv」

「やた〜!!香澄のお菓子だ〜〜vvv今日は何?」

「フッフッ〜v今日はレモンのジュレだよ〜。動いたあとに濃厚なのはキツイでしょ?だからさっぱり目にしたの。保冷剤入れてきたから練習後に食べよ?」

「うん!あれ?良く冷えてる…。」

「ん?調理室の冷蔵庫で冷やしてたんだ♪でもテニス部の練習後に取りに行くの面倒でしょ?鍵借りないといけないしね。」

「そっかぁ。」

「何をしている?春日。」

突然私達の会話に割り込んできた男の声。
厳格そうなピリピリとした雰囲気を纏って帽子を被った老け顔が桜の真後ろに立っていたのは。


「あ、真田先輩。」

桜が振り返って声をかけたその人は、鬼と呼ばれる男子テニス部副部長・真田弦一郎だった。
…ホントに中学生…?
なんだか未成年、しかも義務教育中なのが信じられない。

「練習中に私語などたるんどる!」

…え。
この人今何て言った?
どの時代の人間だよ(汗)
時代錯誤もいいところだ。

「すみません!すぐに戻ります!」

桜は勢い良く頭を下げた。

「ちょ、桜?!」

桜が謝ることなんてない。
だって、声を掛けたのは私なんだから。

「香澄、ごめんね、私仕事に戻るね。」

そう言った桜の表情は少し困った様な笑み。
悪いのは私だよ。
だからそんな顔しないで…!

「桜!今日は私手伝うから!」

その場からいそいそと離れようとする桜の手を取って引き留めた。

「え…?」

「部外者はお引き取り願おう。」

…は?
何でそこであんたがでばる?

「私は桜の友達です。テニス部でもないですし貴方の言うことを聞く義務はありません。」

ちょっと、イラッときたんだ。
高圧的な真田先輩の態度に。
だから、つい喧嘩腰で話しちゃった…。

「お前がいても邪魔だ。」




…。
……。
………。



うん。
落ち着け。
落ち着くのよ、香澄。

相手は上級生。しかも時代錯誤な上に年齢詐称(決定)してる、頭のネジが普通より100本くらい余分に絞まってる可哀想な人なのよ。

「春日も何をしている、さっさと戻らんか。たるんどる!」

かっちーーーん。


今このおっさん、何て言った?
まさかまさか、桜に暴言吐いた?


私が言われる分には我慢すればいい。

でも!

桜は現に私が話しかけるまでちゃんと仕事してたのに…!
こいつ、桜のことちゃんと見てないの?!


ふつふつと込み上げる怒り。
駄目だとわかってるけど……。





「うっさい、おっさん。」





つい口をついて出てしまった。
声になった言葉は取り返しがつかない。何だか急に冷静になっちゃったなぁ…。

「なっ…!」

あー。
おっさんのこめかみに青筋立ってるや。
てか、いちいちオーバーリアクションじゃない?
声大きいよ。
逆におっさんは冷静さを欠いてるね。

私は再び口を開く。

「あのですね、私は桜を手伝いたいだけであって、貴方の邪魔をする気は毛頭ありません。何に対して怒ってるのか知りませんけど、状況把握する前に怒鳴り散らさないで下さい。」

一気に言って少しすっきりした。
私は戸惑う桜の手を引いて水飲み場へ向かった。


おっさんこと真田弦一郎はただ呆然と立ち尽くしていた…。





______________ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

あとがき

はい!
立海一人目は真田弦一郎さんでした☆

特に順番は意味ないです(;^_^A
ただ展開するのに書きやすかっただけなんです、すみません(o_ _)o
次回は切原赤也さんです
(≧▽≦)/


2010*6*24修正
2011.01.25修正

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