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テニスの王子様
謝罪と誠意


混乱したままの頭で家に帰ると、桜ちゃんが部屋の前でしゃがみ込んでいた。

「え…?桜、ちゃん……?」

私の声に反応して、桜ちゃんは顔を上げた。目が真っ赤に腫れて、虚ろな目をしている。そして、私を視認すると、瞳に妖しい光が宿った。そんな桜ちゃんを怖い、と初めて思った。
私は、促されるままに桜ちゃんと部屋に入った。

「香澄ちゃん、ブン太から話、訊いた。ブン太、香澄ちゃんのこと私と間違えたって。香澄ちゃんも否定しなかったって。……どういうつもり?私からブン太を盗ろうと思ってたの?!!」

「違っ…」
違わない!!

普段温厚な桜ちゃんが声を荒げて私を睨んだ。

「違わないでしょ……?だって香澄ちゃん、ブン太のこと好きだったもんね……。」

「!桜ちゃん、気付いて……?!」

「当たり前でしょ?私達、双子だもん。香澄ちゃんがブン太のことずっと見てたの知ってた。でも、私がブン太を好きだって言った時、香澄ちゃん一言も言わなかったじゃない。それなのにどうして?!私に隠れてあんなことして……!!」

「桜ちゃん、ごめん……。ほんの出来心だったの、もう、しないから……!!私にできること何でもするから……!!」

「じゃあ、髪切って。」

「え……?」

差し出されたのは、机の上にあったハサミ。

「双子だからって、何もかも一緒にしてたのが悪かったのよ。だから、髪、切って。」

「え、や、やだ……。」

だって、幸村が綺麗な髪だって、褒めてくれたんだ。切りたくない。

「じゃあ香澄ちゃんを許さない。」

桜ちゃんは冷たい眼で私を見下ろしていた。こんな桜ちゃん、今まで見たことがなかった。こんな、人に執着する桜ちゃん、私は知らない。

「香澄ちゃんが切れないなら、私が切ってあげる。」

ゆらり、と桜ちゃんんがハサミを握って私に近寄って来た。

「やっ…!!嫌っ!!」

私は恐怖に駆られて逃げ出そうとした。でも、足がもつれて転んでしまい、その上桜ちゃんが馬乗りになり身動きが取れなくなってしまった。

「大丈夫……ちょっと短くするだけだよ……美容院行って整えてもらえばいいから……。」

ジャキン―――――

容赦なく動くハサミと、桜ちゃんの狂喜に満ちた顔が恐ろしくて、私は失神することも目を反らすことも出来ず、ただただ、床に広がる髪を見ていた……。





______________ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

あとがき

うあぁぁぁぁぁぁorz
すごい病んでる話になってしまった……Σ( ̄□ ̄;)!!

2012.05.18

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