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テニスの王子様
はじめまして


「………あ゛、あ゛づい゛……。」


飛行機を降りて、環状線のホームに降り立つと同時にむわっとした空気とざんざん降りの雨に辟易(へきえき)した。
それもそのはず。
現在東京近郊にはこれでもかってくらい梅雨前線が居座っている。
北海道には梅雨がないっていうのは本当だった。今のここの気温と湿度と天気に比べれば北海道の真夏日なんて天国だった…。

ああ…。
北海道が恋しい。
東京について僅か3秒でホームシックです……。

「香澄〜?置いて行くわよ?」

はっとして顔を上げると既に階段付近まで歩いている母さんの姿があった。
こんな未踏の地に一人にされたら完全に迷子だ…!

「ま、待ってよ、母さん!」

私は駆け足で母さんの元へ向かった。





新しい家は駅から5分の真新しいマンションだった。
何でも、父さんの会社の社員寮みたいな物らしい。

「ほえぇ〜〜〜。」

開いた口が塞がらないってこういうことを言うのかって感じ。
エントランスは見事なオートロック。
電子キーで母さんが暗証番号を入力していた。
ピー、と電子音が鳴った後に目の前の自動ドアが開いた。私達の新居は7階にある。
エレベーターに乗り、目的の階について新居のドアを開けた。

「……うわぁ。」

中は広々としていた。
間取りは3LDK。
こんなに立派なとこ、初めてだった。
母さんに言われて私の部屋になる所のドアを開けた。
8畳くらいの部屋にクローゼットがついているのには驚いた。
広いしタンスで場所をとることもない。
既に到着している荷物(段ボール3箱)を開けて部屋を片付けた。
引越しに慣れているため荷物は増やさないし少ない。
片付けはあっという間に終わってしまった。…うわぁ…まだスペース余ってるよ…。
ロフトベッドに寝転がりながら少し微睡(まどろ)んでいた。


「あ、そうだ。」

私は起き上がって母さんのいるキッチンに向かった。

「母さん、そいえば、私学校何処行くの?」

そう、私は中2だ。まだ義務教育の真っ最中。
学校に行かなくて何をするんだ。

「あら、言ってなかった?父さんの会社の社長さんの配慮で、社長さんの息子さんが通っている学校を手配してくれているんですって。」

「へぇ…。何てとこ?」

「確か…氷帝学園って言ったかしら?あ、そうそう、今日編入試験があるんですって。」

母さんはさらっと爆弾発言をしてきた…!

………………。
何ですと?!

「か、母さん?編入試験って?!しかも今日?!」

「そうよ。16時からだから制服着て行ってらっしゃい。」

そう言って母さんは一枚紙切れを寄越した。氷帝学園とやらまでの地図だ…。

「や、ちょ、ちょっと待ってよ!私勉強してないよ?!」

「あら、普段授業ちゃんと聞いてるんだから大丈夫よ。」


母さん……それは頭のいい人の発言です……。
母さん実は国立大の出だからなぁ…。
どうして私は母さんの頭脳を受け継がなかったんだろう…。


そんなことを嘆いていても仕方がない。
時計を見れば既に15時を回っていた。
母さんの話では30分くらいで着ける距離らしい。
私は前の学校の制服を着て駅へと走っていった。





母さんがくれた地図はピンポイントで目印を示してくれていたので迷わずにココまで来れた。

「………でか…。」

本日三度目のびっくり出来事です…!この氷帝学園ってデカスギですよ!
迷うよ!絶対迷う自信があるよ!
時計の針は16時の15分前…。
まずい。
うだうだしてたら試験に間に合わないよ…!

だ…、誰かぁぁ〜…!!


あ!
第一生徒発見!!
この際誰でもいい!
そう思った私は見つけた生徒らしき人に駆け寄った。

「すみません!職員室へはどうやって行くんですか?!」

近寄ってみると、その人は相当な長身だった。

「高っ!!」

初めて会った人に対する言葉じゃないな…。
でもさ、でもさ!
30pくらい差があるんだよ?デカイよ!
ここの学校並に驚いたよ!


「あ、あの…?」

その長身の人は不審な人を見るように私を見ていた。
そりゃそうだ。
全く違う制服を着て、挙動不審にしていれば皆疑問に思うよ…。

「あ、すみません。私、秋山香澄と言います。今度こちらの学校に編入予定でして、今日はその編入試験を受けに来たんです。」

理由を言って納得したのか、長身君は職員室まで案内してくれた。



長身君の名前は鳳長太郎君と言うらしい。学年が私と同じ2年だということに驚いた。

「鳳君ありがとう!無事に職員室まで来れたよ!」

「いや、いいんだよ。それに大袈裟だよ、道案内したくらいで…。」

「そんなことないよ!鳳君がいなかったら私絶対迷子になって試験受けられなかったもん!だからありがとう。」

ニコッと笑って鳳君にお礼を言って、私は職員室に入っていった。



鳳君の顔がほんの少し赤くなってたのには気付かなかった…。





______________ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

あとがき


こんばんは(^^)/
はねうさぎです(≧▽≦)/


氷帝一人目はちょたです(*^∇^*)
はねうさぎの趣味です(笑)
べ様でも良かったんですけどきっとケンカになって試験受けられなくなっちゃうので…(笑)

次々絡ませていきますのでお付き合い頂ければ幸いです(≧▽≦)/



2008*9*12
2009*2*14修正
2012.04.26修正

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