小野寺 夏生
キスマークA
夏生くんが悔しそうに自分の髪を掴む。
「どこにも行かない」
そう言って、私はかすかに赤くなった。
こんな災難時ですけど、夏生くん。
私、すっごく嬉しい。
「大人になんてならなくていいよ。夏生くんはそのままでいて。そっちの方がずっといいから」
「…大人っぽいオレは似合わないってか」
「そんなことないけど」
膨れっ面をする夏生くん。
改めて実感。やっぱり私の彼氏は、夏生くんしかいないや。
「おい、ちょっとそこの裏路地入れ」
「え?」
「そのキスマーク消すぞ」
「どうやって!?」
「かぶせりゃいいんだ」
「???」
そう言って夏生くんが悪魔っぽく笑った。
*END*
[前へ][次へ]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!