良牙×らんま 10の御題
01.十年早ェよ(良→らん)
何度か乱馬と手合わせする内に、一つ、気付いた事がある。

それは、『女の乱馬にならば勝てる』…と言う事。

もっとも、少し考えてみれば当たり前だ。
男と女とではリーチが違う。
腕力も違う。体力も違う。
いくら乱馬が武術に長けているとは言え、その差が簡単に埋まる筈はないだろうから。

しかし、それに伴って問題が一つ。
どうやら当の乱馬はその事実に全く気付いていないらしいのだ。
自分が女になっていても、男の時と同じテンションで構わずおれにぶつかってきたりする。
これが男の乱馬であれば、おれも気にせず相手が出来ようなもの。
だが、例え中身が乱馬と解っていても、女相手に本気を出すほどおれは腐った男ではない。
その結果、おれはこの世で最も負けたくない奴に、わざわざ“負けてやる”羽目になる。

…まぁ、自分を最強と信じて疑わないのは乱馬なればこそ。
無闇やたらに、奴の自尊心を傷付ける必要もない。
いつかおれの実力で、男の乱馬に勝てば良いだけの事だ。

だから、という訳でもないが、最近はわざと負けてやるのも悪くはないかな、なんて思い始めたりしている。


それに何より、

「おれに勝とうなんざ、十年早ェよ」

そう言って笑う彼女の飛びきりの笑顔は、おれにとってひどく好ましいものに変わりつつあるから。








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好きまで後一歩、という感じです。
何だかんだ言いつつ、らんまが気になり始めている良牙さん。

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