らんま1/2で100のお題
013.負け(パン×乱)

「顔を見せろ」
と言うと、早乙女乱馬は怪訝そうに眉を潜めた。

「おれは、もうすぐ中国に帰るから…」
と言うと、更に疑わしい顔になった。

『もう会えなくなるかもしれないから、今の内にお前の事を覚えておきたい』
…とは、言えなかった。
自分にそこまでの度胸がなかったのと、あまりに女々しく格好悪い事だと思えたから。

「…ばっかだなぁ、お前」
「何だとっ!」

だから、乱馬の弾けるような笑い声が聞こえた時には、本当に純粋に驚いてしまった。

「会おうと思えば、いつでも会えんだろーが」
「いつ…でも…?」
「折角背中に羽が生えてんだからよ」
「……」

会いに来て良いのだと、乱馬は当たり前のように言い放つ。
まるで、彼がおれの好意を受けとめてくれているような錯覚。

(…何か、嬉しい)

だがしかし。

「ったく、下らねぇ事で悩んでんなよ、パンスト太郎!」
「…オカマ野郎」
「んだと!」

この気持ちを伝えるまでには、まだまだ時間がかかりそうだ。







********************

ツンデレを地でいくのがパンスト君だと思ってます。
 

[前へ][次へ]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!