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蒲公英

[side春]



蓮をここに連れてきたのは俺だ。飲みたかったってのもあるし、蓮が酔った所も見てみたかったっていうか。


「はるーっ、お前いい臭いする…きもちー」
「お前って絡むんだなー」


いい感じに出来上がってる俺の膝の上に、何故か座っている蓮。蓮は酔うと絡むらしい。このまま行けばキスするんじゃないかと思うほど顔が近くて、でも俺も酔ってたから無意識に蓮の腰を抱いてた。


「三浦さんと高崎さんラブラブですねーっ」


酔っている佐藤さんや他の女の子に言われて、笑いながらも酒を煽る。そして蓮にも煽る。

このまま二人でベロベロに酔ってしまいたい。明日は頭が痛いだろうけど休みだし、蓮の家で二人で寝よう。


「ちょっと、飲みすぎたかなー」
「タクシー呼びますかぁ?」
「ああ、よろしくー」


誘ってくれた女の子達に別れを告げて、タクシーに乗って蓮の家の住所を言った。そうしてる間にも蓮は俺の肩に額を付けて、愛おしそうに擦りつけてる。お前、キャラが違いすぎるだろ。


「…そんなことやってっと、食っちまうぞ」
「はるの、ばぁか。おれは、食べ物じゃ…ねぇ、し」


ついに肩を噛みはじめた蓮の頭に手を伸ばせば、サラサラの髪の毛にたどり着く。あまりワックスがついてない触り心地のいい髪。

もっと、触りたくなった。


「んなとこ、噛むなって」
「わるいかー?」
「悪い悪い。おれに食われたくないなら、噛むなー」


それでも噛み続ける蓮を見つめていたら、いつの間にかアパートの前。金を払ってから、蓮を抱きかかえる。適当にポケットを荒らせば鍵は簡単に見つかって、すんなりと部屋に入れた。

俺は相当酔っていた。


「帰ってきたぞー、れん」
「はやいなー」
「ほら、もう寝ろ」
「ねむくないしー」


笑いながらじゃれていたら、いつの間にかベッドの上にいた。俺の下に蓮、俺の首には蓮の腕、俺の腕は蓮の体を抱いている。


顔を寄せたのは一体どっちだったか。気がつくと舌を絡めていた。お互いの舌を味わいながら唾液も飲み込んで、髪の毛もお互いの手のせいでグチャグチャだった。


「…っは」
「ちょーきもちー、蓮キス上手いのな」
「春もなー」


ケラケラ笑いながら、俺は蓮の服に手をかけた。

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